老獪にして豪胆　沢崎誠の麻雀は　いつだってファンを魅了する【 #麻雀最強戦2023 】最強レジェンド決戦 観戦記【B卓】担当 #後藤哲冶

腹をくくってリーチと言った。
南３局ここが勝負の分かれ目。2000点では足りない。リーチをしてアガることができれば、通過に大きく近づくと沢崎は判断した。

それに、沢崎は言っていたのだ。

１位通過での決勝進出を見せる、と。

伊藤が追い付いた。序盤からトイツ手に狙いを絞って、見事なチートイツドラドラテンパイ。
この時伊藤はこの待ちであるに、確かな感触を感じていたという。
実際、は山に２枚あった。
沢崎との、引きあいだ。

このめくり合いを、制したのは――

沢崎だった。
伊藤は、目を閉じてこの放銃牌を打った。

もしかすると――自らの敗北をある程度覚悟したのかもしれない。

通過したのは、大介と沢崎の２名。
最後まで攻めの姿勢を崩さなかった２名の勝ち上がりとなった。
特にオーラスでも自らアガリに向かった大介は見事の一言だった。
決勝卓の記事にも、是非目を通して欲しい。

沢崎は目標に掲げたトップ通過こそならなかったものの、見事２位通過となった。

柔軟なだけでなく、果敢に攻め込む、大胆な一打も見れた沢崎。
その打ち筋の底は、見えないと言って良いほど深く、そして重みがある。
それでいてやはり、沢崎の麻雀はファンを魅了する何かがある。
今日の予選は、十二分にそう感じさせてくれる内容だった。

沢崎誠は、多くの麻雀ファンの憧れで。
いつだってカッコ良いのだ。