熱論!Mリーグ【Tue】
Xデーへ向け、
村上淳がひた走る!
運命を分けた、たった
1牌の守備ゴマとは
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年2月18日
開局

6000オールをツモった村上のほおは…

すでに紅潮していた。その村上は語る。
「最初から、めちゃくちゃ緊張してしまった」
これまでに数多の大舞台を経験している村上が、これほどまでのプレッシャーを感じているのだ。

残り12試合。ドリブンズはいよいよ崖っぷちに立たされていた。トップをとってプラスを計上したいものの、次に引くラスはとてつもなく重いものになる。リスクとリターンのとり方が非常に難しい。結局、自然に打つよりないのだが、それは頭でわかっていても実践するのはなかなか難しい。
本日はドリブンズを取り上げていこうと思うが、そのドリブンズを迎え撃つのが

この錚々たるメンバー。
南家 茅森早香(セガサミーフェニックス)
各チーム、惜しみなくエース級を投入してきて、ドリブンズを抑え込もうという腹か。思惑が交錯して、まさに終盤戦の様相を呈してきている。
競馬で例えると最後の直線の叩きあいだ。
さて冒頭の6000オールで幕を開けた村上だったが、私が凄いと感じたのは、その後の丁寧な守備である。
東1局1本場。

村上が赤い顔をさらに赤くし、考え込んだのが次の手牌。

なんてことないイーシャンテンだ。を残せば三色目が残るものの、巡目的にそのような変化は望みづらく、私ならさして迷うこと無く
を打つ場面だ。村上が迷っている理由は、全体牌譜を見ればわかる。

対面の沢崎にはが、上家の多井には
がそれぞれ安全牌。
しかし茅森に対しては安全牌が通りそうな以外ない。というわけで、三色変化というよりかは、安全牌として
を残しておきたいのだ。
それにしてもこのを残すかどうかで

ここまで集中し、ここまで真剣に、そしてここまで魂を注ぎ込むことができるだろうか。
いや、村上は理解しているのだ。
こういう何気ない一打が強者と弱者を分かつことを。
天国と地獄を分かつことを。そして、その後の運命を大きく変えることを。
村上は努力の人だ。
園田のように格段に地頭が良いわけではなく、たろうのように格段にセンスがあるわけでもない。
以前にも紹介したが、村上は


これまでの戦いを全てノートに記し、ひたすら勉強と研究に時間を費やしてきて、今があるのだ。
これだけ努力を積み重ねてきた村上が、1つの何気ない選択に顔を赤らめ、そして魂を注ぎ込んで選択しようとしている。私はそれを見ているだけで感動を覚えるし、やはり同年代のおっさんとして、ドリブンズを応援したくなる。
――人は努力だけでどれくらい麻雀が強くなるのか
その世界を覗いてみたくなるのだ。
結局村上はを切るまでに、30秒の時間を使った。
次の瞬間、その茅森からリーチが入る。
このリーチも鮮烈だった。

3段目にピンフドラ4のリーチである。そういえば、今日の茅森は一段と美しかった。

対局前になにかいいことがあったのか、微笑みを浮かべている。