熱論!Mリーグ【Tue】
近藤誠一はなぜ
ラスを引かないのか⁉︎
その悪魔的頭脳と
左手が導く選択
文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2020年2月18日
1戦目、セミファイナル進出を狙うドリブンズ村上淳が、大きなトップを獲得した。
では2着はというと、現状トップをひた走るセガサミーフェニックス。茅森早香が要所要所で高打点のアガリを決めてきた。
セミファイナル進出ほぼ確実!!と言われるようになってからも、セガサミーフェニックスはそつがない麻雀でポイントを重ねてきている。魚谷侑未の連対記録や近藤誠一のラスなし記録のような華やかな記録を持っているだけでなく、茅森早香の展開に恵まれない中での着順取りや、復調してきた和久津晶のトップなど、チームとして非常に安定していると言えるだろう。
こうした状況は通過ボーダー下のチームからすれば悪くない。どうせ残り十数試合では届かないセガサミーフェニックスが連帯することで、結果他のチームが3着ラスを引くことになり、ボーダーのポイントが下がるからだ。セガサミーフェニックスの好調は今のMリーグを面白くしている一員と言えよう
そんな中、2戦目に登場したのは近藤誠一。
Mリーグでは驚愕の21連ラスなし。先日行われた最強戦2020でも圧巻の麻雀でファイナル進出を決めた。
2戦目
南家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
個人ポイント首位こそ村上淳に抜かれてしまったが、この半荘で一気にまた捲り返すか?そういったところにも注目して2戦目を見ていくことにしよう。
【東1局】
開局いきなり親の内川の超大物手が炸裂。
とをポンしてテンパイのところにを加槓。新ドラがなんと!!嶺上から引いたのはアガリ牌でドラの1!!・嶺上開花・ドラ5の6000オールだ!!
いきなり内川と大きく離された状態で始まった子方三人。少しでも舵取りを間違えれば大きなラスを引くことも考えられる。
【東1局1本場】
そんな状況の中での近藤の5巡目の手牌がこちら。
高打点も見えるが、現状は面子が一つもない手牌。ここは……
を切った。この手牌から二枚切れているや生牌のを打ち出すよりは、一枚切れのカンを嫌って、面子手ならタンヤオをつけつつ安全に高打点を作りに行く選択だ。
ドラののあとにと引いて、タンヤオ赤ドラのイーシャンテン。ここで絞っていたを離した。
これを内川がポン。打。
再び近藤の手番で、引いてきたのはまたドラの!これでタンヤオ一盃口ドラ3の超勝負手に変化した。ピンズの伸びがフリテンなこともあり打。
道中も引いてポンテンが効く形になり、そしてテンパイ!ここはもちろんテンパイを取って……
打!!なんとテンパイ取らずだ!!
これは親の内川に対するケアであろう。
自身の手はリーチをかけずとも出て満貫・ツモって跳満の勝負手である。
しかしそれも放銃しなければの話。先にアガられてしまってはいくら高打点でも絵に描いた餅だ。
の筋はポン出しの直前に手出しされたの跨ぎである。親の内川はWポン打の後は全部ツモ切り。確かにケアするに値する牌ではある。
通ってない筋を単純にカウントしても
5筋(、、、、)であり、愚形やテンパっていないことも考慮すれば切ってもおかしくない牌だがここは我慢を選択した。
は共に内川の現物であり、安全に落としていくことができる。そしてソウズをこの形のままにしておくことで……
こうした危険牌を吸収しての復活もある!!
これでなんと高めで16000のダマテンだ。一回内川の手出しがあったため、通る確証がなくなっただがここは押してテンパイを取る。
そして今引いたは……
なんと内川の12000テンパイの当たり牌!!