これをしっかりと止めてギブアップとしたが、ギリギリのところで放銃回避。
自分の読みを裏付けとした攻守バランスの良さが際立った、松ヶ瀬らしい1局だった。
■ 隙あらば一瞬で打ち抜く攻撃力
素晴らしい守備力による「繊細」な面を紹介したが、今度は「超巨砲」と言われる攻撃面でのファインプレーを。
場面は進んで南1局 ドラは。
全員がイーシャンテンのままテンパイが入らない膠着状態が続いていたが、終盤に差し掛かる頃、最初にテンパイを入れたのが優。
単騎でヤミテンに。
次巡、
終盤の攻防に備えて3枚切れのに単騎を持ち換えてヤミテン。
もちろん、このままでは和了りが無いので、「?」と思われた方もいるかも知れない。
こうしておくと、どこかから火の手が上がっても1巡だけ安全にテンパイを維持することが出来る、というのがその理由だ。
そして、この受け気味の手筋を徹底する優。
ピンフイーペーコーのテンパイに変化するを引き入れるも、打としてカラテン続行。
次の変化で出和了り出来るようにと周到に構えた。
次巡、
このをツモったところで4枚目のをリリース。
こうして優が生み出した「間合いの妙」が、終盤の攻防を激化させる。
実は、下家に構える親の渋川がご覧の形のイーシャンテンで、
優が待ち頃の単騎に受け直すと、渋川は当然チーを入れてテンパイ。
この動きに「繊細」に対応する松ヶ瀬は、
このチートイツのイーシャンテンで、渋川の現物であるを切って対応した。
すると、猿川が同巡、
絶好のを引き入れ、フリテンながらツモると高い三面張リーチを敢行。
そして、このリーチを観た優が、
全員がをツモったら切るだろうことから、実質「ツモ4倍速」の単騎で勝負に出る。
一人イーシャンテンのまま囲まれてしまった松ヶ瀬だったが…
なんとここでしぶとくテンパイ。
場況としてはピンズよりもソウズの方が安く、和了りにかけるなら単騎の方が山に居そうな河の様子。
しかし、慧眼を持つ松ヶ瀬は河が誘う単騎にはせず。
敢えて高い色のに照準を合わせてリーチ宣言。
終盤に詰め込まれた目まぐるしい攻防。
ただ、決着は一瞬だった。
下家の猿川が即座に飛び込んで、リーチ一発タンヤオチートイツの8,000点放銃という結末。
勝負所で間違えない松ヶ瀬。
この和了こそ、彼が一流である証と言えるのではないだろうか。
■ それでも勝てない麻雀の恐ろしさ
松ヶ瀬の一撃で得点状況はご覧のように横並びに。
この勢いを駆って二の矢を放ちたい松ヶ瀬は4巡目、
上手くまとめられたら決定打になりそうな手牌。
しかし、どこをどうさばいてもエラーが起きそう。
難しい選択を迫られた松ヶ瀬だったが、今日の彼は間違えない。