打牌の速さと判断の早さ　内川幸太郎が戦ったスピードの世界【Mリーグ2023-24観戦記 11/10】担当記者 東川亮

を引いて単騎に待ち変え、ドラそばのをプッシュ。はリーチ宣言牌のスジだが、ドラではない分こちらがよさそう。

さらにを引いてノベタンの待ちに変化。

松本のを捉えて2900は3500、ついに松本を逆転した。

うまくアガリルートを捉えた内川。いずれも簡単ではない選択だったと思うが、一連の流れでさほど時間を使わず、スルスルと正解を選んでいった姿が印象的だった。自身の手と場の状況を随時把握しておかなければ、ここまでスムーズに打牌をしていくことはできない。

南3局。
3枚目のを引いて待ちの役なしテンパイとなるが、全く迷わずノータイムでツモ切り。

次巡、を引いて待ちテンパイをダマテン。ピンフドラ1の2000点は、松本のハネ満出アガリ条件を消せる。

これが決定打。ソーズのホンイツに向かっていた猿川は止めようがなく、内川がセーフティーリードを築くと、最終局も自力でアガって今シーズンの初勝利を確定させた。

全12局、流局3回と、おそらくMリーグでは平均くらいの長さとなった一戦だったが、試合時間は1時間少々。各者がテンポよく打牌していることもあり、相対的には短い時間で終局したと思う。

もちろん、早く打つことで雑になったり見落としがあったりしてはいけないが、このレベルの打ち手は常に場を見て考えて、自分の手番が来るまでに最善を導き出すための思考を巡らせている。打牌の速さと判断の早さが生み出すスピーディーな試合を見終わった後には、スポーツ観戦の後のような、ある種の爽快感があった。

うーん、爽やか。