麻雀の不条理。
3対1は1が勝つ。
桑田へ12,000の放銃。
その瞬間
瀬戸熊はすでにその理不尽な現象を受け入れ、今できる事に全身全霊に立ち向かう事に切り替えていた。
それは現最強位としての最後の意地として。
南3局
・ホンイツ
1,000・2,000
このアガリでオーラスには1,600・3,200、8,000出アガリ条件まで緩和すると
南4局
条件に見合ったチャンス手を引き込む瀬戸熊。
だがしかし、
無情にも下家のたろうに二副露が入っている絶体絶命なのだ。
研ぎ澄ますその表情に視聴者・解説席・スタッフ全員が魅入る。
そして
その瞬間はやって来た。
意を決したかのように1牌を手にすると
この日、初めての強打。
「パンッ…!!」
初冬の空気のように乾いた、でも少し心地の良い音が舞台に響き渡る。
たろうへ
1,000の放銃だった。
それと同時に、一人の漢
瀬戸熊は何か悟ったように遠くを見据えていた。
その瞳は、まるでビー玉のように光り輝くように。
瀬戸熊
「また明日から頑張ろう。」と。
一つの物語が終わった。
いや違う。
新たなページの始まりに過ぎない。
瀬戸熊の意思を受け継ぎながら、麻雀最強戦はこれからも続いて行くのだから。
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