ピンズはの他にととが通っていないが、菅原がリーチ前に→と手出しで切っているので、を跨ぐ筋はやや危険度が下がり、が3枚見えたことでの危険度も下がっている。
ピンズ待ちであればが本命に見える。
それでも優はをスッとツモ切った。
押すと決めたらとことん押す。
さすがは戦闘民族の異名を持つ優。
・は押すとしても、このでギブアップする人は多いのではないだろうか。
このも通過し、次に優が引いたのは…
無筋のだった。
状況を整理してみよう。
優がリーチに対して押し返したことで、通っていないリャンメンのパターンはあと6つに絞られている。
・マンズ
//
・ピンズ
//
・ソーズ
無し
6本の無筋が当たる確率ももちろん均等ではなく濃淡がある。
例えばとが3枚ずつ見えているのでとは同じ無筋でも他よりは当たる確率は下がると言えるし、先述の通りを先に切っているので、・の確率も少し低い。
そうなると本命はかのどちらかで、優が引いたはそのどちらにも当たりうる牌だ。
待ちをリャンメンだと仮定すると、放銃率は6分の2で約33%。
濃淡を考えるとざっくり約40%くらいかと思われる。
この40%を仮にかいくぐったとしても、優の加点が確定する訳ではなく、40%を通過した上で優の待ちが先に顔を出さなければ意味がない。
約2分の1で放銃となり、放銃すればトップは安泰ではなくなる。それどころか打点によってはラスの可能性だって出てくる。
状況を整理すればするほど、とてもじゃないが押せる牌ではない。
を切ればアガリ目は薄くなるが・のシャンポンでテンパイを維持できる。切りの1択だろう、そう思いながら映像を見ていた。
優はを静かに切った。
私は驚きのあまり映像を一旦停止し、巻き戻して河をもう一度確認した。通っている筋の本数、ワンチャンスの数、どれも認識に間違いはない。
その2巡後、ようやくアガリ牌のが優の手元に訪れた。
1,000-2,000のツモアガリにより、2着目の東城を跳満ツモ圏外に追いやることに成功する。
このアガリが決め手となった。オーラスも親リーチを躱し、優は個人3連勝を達成した。
優は対局終了後、自身のYoutubeチャンネルで検討配信をよく行っている。
配信が始まるまでの間、私は南3局で優がを押せた理由を考えてみた。
1つ思い当たったのは、優は菅原のリーチを愚形待ちだと読んだのではないかという説だ。
菅原のリーチ宣言牌はドラ表示牌の。優がを切った次点では4枚見えている。
リーチの前に・など面子を作るのに使えそうな牌を切ってまで残しておいたは、手の中に関連してそうである。
しかし、が4枚見えているのでからのは無く、やから他のターツができてのノベタン待ちも、・が通っているから否定されている。
1枚しか持っていないが待ちに関連しているパターンといえば、例えばからと何かのシャンポン待ちなど。役牌は南が見えていないのでとなどのシャンポン待ちなどあり得そうだ。
シャンポン待ちの候補でいえば、南の他に・・など色々なパターンがあり、は優から3枚見えているのでシャンポン待ちには当たらない牌だ。
実際のところ、菅原の待ちは
フリテンの待ちだった。
菅原は前巡2枚切れの役無し・ドラ無しカンテンパイを入れるがテンパイを取らず打とした。次巡、裏目となるを引きフリテンリーチに踏み込んだのだった。
打点が無い手だったため、ドラの受け入れを残すためにと持っているところからの打リーチだった。
また、優は他家の動向や癖を細かく見ていることでも有名なので、もしかすると菅原のフリテンリーチに気づいていたのかもしれない。
しかし、いざ検討配信を見てみると私の予想は全て外れていた。
まず、菅原のリーチについて優は好形のリーチと読んでいたとのことだった。
理由は第一打目のから2打目のの切り巡だ。