「ピンフ」が決まらない世界を勝つ〜猿川真寿、殊勲の個人8勝目【Mリーグ2023-24観戦記 3/15】担当記者 千嶋辰治

両面待ちのテンパイが理想だったところへ【8マン】が重なり、チートイツでテンパイ。
解説の石橋曰く、「リーチがかかっていなければツモ切ってしまいたいくらいの牌」だが、醍醐の選択は…

【6ソウ】【7マン】単騎で応戦。

その手順を追うのは非常に難しいのは承知の上だが、もしも内川の宣言牌が中スジ待ちとなる打【7ソウ】ではなく、【3ソウ】だったら…。
その世界線ならば、この【6ソウ】を内川が捕まえてこの局は終わっていた。

しかし、現実の世界では局が続いていく。
【6ソウ】を猿川がチーしてカン【4マン】待ち。
タンヤオドラ5のハネマンテンパイだ。

 

「ドラ5なんで、行くしかないんですけど。」

試合終了後のインタビューで振り返った猿川。
2軒リーチに手をぶつけていく。

「あとは、たまたま先に(カン【4マン】が)いないかな… と。あの局は本当に良かった。」

この【4マン】を掴んでしまったのが、BEASTと共にボーダーラインのEX風林火山を追いかけるフェニックスの醍醐。

 

戦線から大きく後退する18,000点。
痛恨の極み。苦々しい表情が物語っている。

「あの場面、【東】を切ってオリるか、猿川さん、内川さん共に持っていなさそうな【7マン】単騎でリーチを打つか。いや、そもそも【東】を2鳴きして【6マン】【9マン】のテンパイを取るべきなのかもしれないが… ただそれはなんというか… 出来なくて。トップ取りたいですからね。」

インタビューでチーム戦特有の難しさを吐露していた醍醐。
わずか3分ほどのインタビューだったが、言い淀む様子に無念さが滲んでいた。

序盤の勝負所を制し、トップ目に立った猿川。
ボーダーライン争いへの生き残りをかけた戦いは続く。

場面は南3局。ドラは【北】
まずは内川の配牌をご覧いただきたい。

第1ツモで重なった【1ピン】
これにシンパシーを感じたか?

2巡目に親の猿川が打ち出した【1ピン】をポン。

ピンズの一色に寄せようと、かなり遠いところから声を出していく。
と、これが恐るべきツモを手繰り寄せて、

 

 

 

ご覧のとおり、【5ピン】【8ピン】待ちのチンイツテンパイ。

これは決まったか?
と思われたが、さらにキレッキレだったのが猿川。

【6ピン】が重なったところで外連味なく【7ピン】を切ってトイツ手へ走る。
そして、

待望のドラを重ねてイーシャンテンとし、

内川が前述のチンイツをテンパイした直後に、【1ソウ】を重ねて追いついた。

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