仲林圭と松ヶ瀬隆弥 その差、わずか1.6ポイント 勝負を決めたラス前のテンパイ料【Mリーグ2023-24観戦記 3/25】担当記者 #江崎しんのすけ

チーすればチンイツのイーシャンテンになる。
しかし、その場合2軒リーチに対してド無筋の赤5mを切らなければならない。

親番の岡田への放銃は当然痛いとして、トップ目から先制リーチをかけてきた仲林のリーチも、価値の低い手だとは読みにくい。アガればトップが決まるような手だろう。

それでも、松ヶ瀬は前に出た。
【3ピン】を234でチー。

松ヶ瀬の持ち点は11,800点で、3着目の岡田とは10,100点差。
もしここで岡田にアガられてしまうようなら、それこそ着順アップは厳しくなる。

大敗を覚悟し前に出た松ヶ瀬に、牌が味方した。

危険牌だった【5マン】が直後に通り…

次巡、【1ピン】を引き最高のテンパイを入れる!

待ちは【2ピン】【5ピン】【8ピン】【3ピン】【6ピン】【9ピン】
一通になる高目【9ピン】は4枚見えているものの、待ちの枚数は残り7枚と充分過ぎるほど残っていた。

決着はその直後

先制リーチをかけていた仲林が【8ピン】を掴み松ヶ瀬へ放銃。
8,000点の出アガリで松ヶ瀬は3着に浮上する。

この【8ピン】は岡田のロン牌でもあったが、頭ハネにより松ヶ瀬のアガリのみが認められる。

完全なる結果論だが、もし松ヶ瀬が【3ピン】をチーしていなかったら【8ピン】は岡田の元に訪れ、ツモアガリになっていた。

松ヶ瀬は満貫のアガリがなくなり、かつ3着目の岡田がツモっていたとなると、着順アップは相当厳しくなっていただろう。

文字通り松ヶ瀬がアガリへの道をこじ開ける。

そして冒頭のオーラスに続いていく。

トップは先述の通りオーラス満貫をツモったたろうだが、その他3人の点数と着順は以下のようになっていた。

2着:仲林 21,500点

3着:松ヶ瀬 20,400点

4着:岡田 19,900点

なんと2着から4着までの点差はたったの1,600点

リーチ棒を1本出せば変わるようなほんの少しの差だが、終わってみれば2着仲林と4着岡田のポイントは上下41.6ptも違う。
この接戦の中で、2着を持ち帰ったのは仲林だった。

東場で2,600オールをアガリ、トップを維持していた仲林だが南3局2本場の松ヶ瀬へのチンイツ放銃で2着に落ち、オーラスはたろうとのめくり合いに敗れ2着で終局。

なんとかギリギリ2着だった仲林だが、もし座っていたのが仲林ではなかったら、下手をすれば2着すら持ち帰れていなかったかもしれない。

南2局、仲林は手広いイーシャンテンになっていた。

テンパイする牌の種類は10種類、鳴きも使えるので少なくともテンパイは入れることができそうだ。

すると、下家の松ヶ瀬からツモ切りリーチがかかる。

リーチ平和高目タンヤオ赤1ドラ1の【6マン】【9マン】待ち。
ラス目なのでリーチをかけたいところだが、【6マン】【9マン】が6枚見えているためダマテンを選択していた。

そこに親のたろうからタンヤオの仕掛けが入る。

タンヤオ仕掛けなので【9マン】を持っておらず、岡田・仲林も【6マン】【9マン】を切っているので最後の【9マン】が山に残っていると読んでのツモ切りリーチだ。

松ヶ瀬のリーチの宣言牌の【3マン】をたろうがチーして無筋の【5マン】を切る。

待ちは【3ピン】【6ピン】
【5マン】は非常に強烈な牌なので同卓者からはテンパイに見えるだろう。

直後に仲林は松ヶ瀬の当たり牌【9マン】を引く。

自身がイーシャンテンでかつトップ目なので、ここは安全に進行したいところだ。幸い中が4枚見えているので楽にオリることができる。

しかし、仲林は【中】ではなく【3マン】切りを選択。

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