【 #神域リーグ2024 第7試合観戦記】#桜凛月 は諦めない 宝燈の灯火よ 奇跡へ導け!【文 #後藤哲冶 】

基本【4ソウ】が出ることはない形だったゴモリーだが、このタイミングで唯一切ってもおかしくない【中】引き……!

アキレスの控室は阿鼻叫喚。

【8ソウ】打て【8ソウ】打て! 」

監督多井が必死に祈る。

一方ゼウスの控室はお祭り。

「出ろ出ろ出ろ~!」

奇跡の役満が成るか。
結果は――

ゴモリーが、放銃を回避する【8ソウ】を打って。

タンヤオでアガリ切った、歌衣がトップを獲得するのだった。

計6回もの12000のアガリが飛び出した第1試合。
その被害に遭ってしまったのが、グラディウスの勝だった。
展開そのものが厳しかったため、次に切り替えて欲しいところ。

トップには、流石の打ち回しでアガリを量産した歌衣。
オーラスも、桜には最悪打っても良いと、状況を判断した押しをしていた。
……実は打ってはいけない打点が出てくるのだが。

が、実況の天開にインタビューを忘れられるというプチハプニングもあり、最後に特大役満が入っていたことも知り、どこか大人しい歌衣だった。

惜しくも3位となったが、最後にとびきりの見せ場を用意してくれた、桜。
惜しむらくは、桜が九連宝燈という役満を知らなかったことか。
もし知っていて、あの手をリーチしなかったら。
そんなたらればを、少し見たいと思ってしまう。

とはいえ、役満成就はならずも、この半荘全体を通して要所要所に素晴らしい選択があった。
誇って良い内容だっただろう。

実は桜凛月という選手は、昨年一番最後の試合に悔いが残った選手の一人だった。

昨年のゼウスにとって最後の試合となったセミファイナル、そこで、ライバルチームであるグラディウスにトップラスを決められてしまった事。
対局の内容は決して悪い物ではなかったが、彼女はずっとそのことを悔いていた。

今日は、控室に帰って来た後、
「悔しかった~!」
とは言葉にしつつも、桜の声音は弾んでいて、心から麻雀を楽しんでいるように見える。

どうか今年は、最後まで笑顔で。
あの日のリベンジは、まだ始まったばかりだ。

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