生まれ変わっても戦いの場に 二階堂亜樹 不調の中でもぎとった1勝【Mリーグ2022-23観戦記11/15】担当記者:ZERO / 沖中祐也

生まれ変わっても戦いの場に
二階堂亜樹
不調の中でもぎとった1勝

文・ZERO/沖中祐也【火曜担当ライター】2022年 11月 15日

勝てば好調、負ければ不調と言われるこの世界。

(データはMリーグ成績速報(非公式)様より @mleague_results

そんな麻雀中、やっていることは変わらないし、自分では全くブレていないつもり。
運の要素の強いゲームだからこそ、そこは割り切らないとやっていけない。

それでも周りの声が気になり、次第に自身の精神をも蝕んでいく…。

この日の対戦カードは、好調の日向に対し不調の3人が迎え撃つという構図がハッキリしていた。

第1試合

東家:小林剛 -94.8
U-NEXT Pirates

南家:村上淳 -124.1
赤坂ドリブンズ

西家:二階堂亜樹 -207.4
EX風林火山

北家:日向藍子 +124.5
渋谷ABEMAS

好調者の選択

東1局から、日向の好調ぶりが見て取れた。

開始数十秒、いきなり親の小林が迫力ある3フーロ。

ダブ【東】・赤で5800以上が確定している。
これを受けた村上にもテンパイが入った。

チートイツ【3マン】【6マン】タンキの選択。【6マン】を切って【3マン】タンキでリーチするのも悪くないが、ここでリーチを打つと親と1on1になりやすい。そうなるとリーチ・チートイツだけでは、待ちも打点も心許ない。そこで村上は

ヤミテンに構えた。

未だトップのない村上。チームともども早めに浮上したいのは山々なのだが、かといって闇雲に攻めるのが最善ではない。
見合わないと思えばダマテンに構えるし、オリも考えている。

さらに、好調・日向が3回ツモっただけで追いつく。

カン【8マン】の役無しドラ1で、出ていく【6ピン】は危険牌である。
同じことを繰り返すが、ここでリーチを打つと親と1on1になりやすく、リスクの高い選択と言える。

しかし日向は、小林の仕掛けをじっとみつめた後リーチを打った。

「場に1枚切れているけど、【8マン】は良さそうだし、安全牌も少ないので」

好調時は、自分にとって良い要素を見つけやすくなるのかもしれない。
また、少々ラスを引こうがびくともしないABEMAS帝国の状況が、日向の最後の一歩を踏み込ませていく。

テンパイを維持していた村上はオリた。
仕掛けとリーチに挟まれてはもう押せない。
こうやって1on1の状況は作られていくのだ。

そして踏み込んだ勇者に、女神は微笑む。

リーチ・ツモ・赤の1000・2000。
打点よりも親の仕掛けを蹴ることができたのが大きい。

好調・不調の明暗がくっきり見えた開局となった。
ただ、押し切れなかった村上にとってもこの展開は悪くない。
親の高打点に飛び込まないことが至上命題だったため、日向がリスクを背負ってかわしてくれたのはラッキーだとも考えられる。

バースデープレゼント

東2局、好調を継続している日向がリーチ。それを受けた亜樹の手牌。

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