【 #神域リーグ2024 第7試合観戦記】#桜凛月 は諦めない　宝燈の灯火よ　奇跡へ導け！【文 #後藤哲冶 】

先ほどのアガリで逆転されていたトップを再び奪い返す。

南１局

ここまで歌衣とゴモリーの高打点にやり込められてしまっている桜だが、ここで良い手が入った。
が槓子になったが、まだ形もそこまで良いわけではないので、虎の子の安全牌として抱える選択肢もあるが。

「いくしかねえよなあ！」

所属事務所にカンと出たら押せと言われているのかは定かではないが、ここも即カンに踏み切る。
現状上位２人に点棒で差をつけられているのだ。どうせなら、大きく。

もポンできてテンパイ。
、ホンイツトイトイの12000テンパイだ。

オリることのない親番の勝にも、良い手が入った。
リーチピンフドラ赤、待ちのこちらも12000以上のテンパイ。
桜との、めくり合いは……

桜に軍配。
勝からを捉えて、12000のアガリ。
これで上位陣になんとか食らいつく。

南３局

トップ目で親番を迎えた歌衣に、良い手が入った。
タンヤオ赤赤、ダマでも7700。今が南３局であるということも考えれば、十分にダマの選択もある、そんなシーン。
けれど。

「リーチじゃない？　漢ならさあ！」

この漢は当然リーチ。
そもそも、最後の親番が残っているのが２着目ゴモリーなのだ。
ならば、少しでも多く点差を広げておきたい。

「一番目立つのは、この――俺！」

きっちりとツモアガリ、4000オールの加点。
これが２年に渡ってリーチ超人から学び、そして受け継いだ、リーチ超人の遺伝子。

このアガリで、この半荘のトップも、一番目立ったのも、歌衣になった。
誰もが、そう思った。

南４局

南３局にゴモリーが僅かに加点したことによって、桜は跳満ツモでも着順が変わらなくなってしまった。
そして、４着の勝ともかなりの点差が開いている状況。
それでも、手がソーズの染め手になりそうなため、桜はホンイツやチンイツに舵を切る。

を引き入れて、イーシャンテン。
この時点で、仄かに匂い立つ、役満の香り。
を引き入れてでアガるか、を引き入れてでアガれば、役満九連宝燈の完成だ。

歌衣がこの半荘を終わらせにかかる。
をポンしてテンパイ。
歌衣以外全員が高い手を作っていそうなのは明確。
失点を少なく乗り切るには、自分がアガるしかないとあたりをつけた。

その、次巡。

引いた……！
九連宝燈が確定する、引き……！
役満のツモは、僅かに歌衣をかわす、トップにまで突き抜ける。

公式配信も出現率があまりにも低い役満のテンパイに、大きな盛り上がりを見せる。
残念ながら、山にはないが、山には無くても、アガれるかもしれないのが、麻雀で。

桜のリーチ宣言と共に出る、「役満確定」の文字。
桜が奇跡を手繰り寄せるか。