”分かれ道のヘラクレス” 浅井堂岐、苦難の先にある栄光を求めて【Mリーグ2024-25観戦記 10/3 第1試合】担当記者 渡邉浩史郎

もう一人苦難の道を征く者がいた! 本田だ! こちらも一発目から無筋2連打の道を選び、この高めハネマンの聴牌までこぎつける!

しかし堂岐もこの程度で止まらない。本田に通っていない【1マン】を叩き切ると……

次巡引いてきたのは【4ソウ】! ここで二人に無筋の【6マン】を切り飛ばしてリーチだ!!

例えば【3ピン】を引いたところでピンフの両面両面にしていたら、この【4ソウ】引きで本田に放銃の未来があったかもしれない。内川の親リーチを受けて【3ピン】切りを選んでいれば聴牌すらしていない。

結果は流局となったが、正に逆襲のヘラクレスの名に恥じない”The Choice of Hercules”を見せてくれた。

さらに堂岐の前に分かれ道は続く。

【東3局4本場】、またしても内川から先制リーチを受ける。

一発目の堂岐。ドラドラ赤の勝負手で、もう見るからに【8ソウ】が危ない。凡人ならまず間違いなく【8ソウ】【9ソウ】の切り順、一発でお縄にかかるところだが……

堂岐の選択は【9ソウ】
どうせ勝負手でまっすぐ行くならタンヤオ変化の【6ソウ】【8ソウ】引きを受けられるように、リーチを無視する選択だ。この巡目、この河のリーチであれば【9ソウ】【8ソウ】の放銃率にそこまで大きな差がないという感覚もあっただろう。一巡生き残っただけにも見えるが……

わずか一巡、されど一巡。【8ソウ】を重ねて生還すると……

ツモって倍満の超勝負手まで持ってきて、リーチに踏み切った!

しかしここに本田も参戦。本日三度目の三軒リーチはいずれも堂岐に微笑まず。

ラスでこの半荘を終えることとなった。

ラスを引きながらも堂岐に後悔や落ち込みは見えず。
「攻めきれたなという感じはあったので、自分の感触的にそんなに悪くない」とインタビューであった通り、堂岐らしさ全開のフルスロットルな半荘であったと言えよう。いつかこれが爆発した日には…… きっと応援しているファンもウイングスも、そして視聴者も驚天動地のハイスコアをたたき出す、そんな気がしてならない。

かの英雄ヘラクレスは贖罪のために10の試練を果たせとアポロンから神託を受け、最終的には12の功業を成し遂げた。
今日のラスは堂岐にとっては10の試練のうちの一つにすら満たないだろう。

優勝という栄光に向けて、”堂岐の選択”はまだ始まったばかりだ。

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