「堀さんからしか和了らないつもりで構えてたんで……」
そう、すでに条件戦が始まっているともいえるBEAST。ボーダーのサクラナイツを捲るため、既にフェニックスは逃がしてもいい立場であると考えていたのだ。堀からアガれば事実上トップの40pt+マンガン直撃の16ptを阻止したことになる。
ひたすら掴まされ、放銃が続いた大介。
常人なら早くこの半荘を終えて楽になりたいと考える中、最後に残した鋭い牙は、確かに堀慎吾を、サクラナイツを捕らえた。
シーズンの半分を終え、静かに条件戦の始まりを告げた一戦目。
意図的に運命の歯車をずらそうと、もがくチームたちの牙は今も研がれ続けている。
日本プロ麻雀連盟所属・35期後期生。麻雀と着物と民俗学が大好きなプロ雀士。