ただ、淡々と。 #岡田紗佳 長き冬の戦い【Mリーグ2024-25観戦記 12/23 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

流局。
まだ、決定打は生まれない。

南1局1本場

伊達が6巡目に打【4マン】
もう手は三色に固定して、打点価値の高い手か、鳴いてのかわし手に決め打った。
このあたりの判断に迷いが無い所が、伊達の良さ。

岡田も仕掛ける。
カン【3マン】チー打ドラの【北】タンヤオへ。
あまりにも厳しい配牌を、ここまで育てた。
しかしそれでも、メンゼンでアガリまでは厳しいと判断しての鳴き。
供託も2本ある。早々にアガリを諦めるわけにはいかない。

先手は菅原だった。
【3ソウ】を暗刻にしての、【5マン】【8マン】リーチ。打点こそそう高くはないが、供託2本かつ、この拮抗した状態であれば、アガリそのものの価値が高い。

日向も追い付いた。
ドラの北が余ってしまったが、1枚切れの【北】を、北家の菅原が鳴いていないことを考えれば、そう放銃率が高いわけでもない。
ぶつけて勝負に出る。

2人リーチを受けて、伊達が雀頭の東に伸びかけた手を止めた。
2枚切れで対子の東は確かに絶対に安全な牌だが、今持ってきた中も2枚切れでほとんど通る牌。
【1ピン】【4ピン】から入ってのペン【3ソウ】は戦えるかどうか微妙だが、【3ソウ】を引き入れての【1ピン】【4ピン】待ちなら【5ソウ】を切る価値があるかもしれない。
僅かな可能性に賭けて、伊達は【中】を切った。

そしてその僅かな可能性を手繰り寄せるのが、伊達朱里紗である。
ラス牌だった【3ソウ】を引き入れて、これならばと【5ソウ】を横向きに叩き切った。

そしてこれを、なんと菅原が一発で掴まされてしまう。
安目の【4ピン】であったことがせめてもの救いだが、それでも3900は大きい。
伊達が、トップ目に立った。

南2局1本場

伊達が更に3900を菅原からアガった後の1本場
岡田に今日1番の手牌が入った。
まずはペン【3ピン】外しから。裏目の【3ピン】も、赤【赤5ピン】を使ったターツができると思えば、悪くない。

【7ピン】を引いて、赤【赤5ピン】を使う目途がたった。
しかしカン【6ピン】という愚形がある以上、【7マン】を残して良形ターツを作る余地を残すこともできるが……。

岡田の選択は【7マン】切り。
瞬間の【3マン】【7ソウ】引きも逃さず、現状ある赤2枚でも十分勝負になると判断。
そうして次巡持ってきたのは――

【6ピン】。絶好だ。
もちろん迷いはない。【7ソウ】を、横に曲げた。

絶好の入り目に、色めき立つ実況解説席。
そんな興奮を全く感じさせない所作で、岡田が一発目に持ってきた牌は――

ドラの、【8ソウ】だった。
裏ドラは乗らずも、値千金の3000、6000。
トップ目伊達に親被りをさせての跳満ツモは、大きくトップを手繰り寄せるアガリ。
成るか。今シーズン初トップ。

しかし、ここからが怖いのが伊達朱里紗
南3局1本場、4着目菅原が切った【6ピン】は、伊達のアガリ牌。
8000点に供託本場込みで、ギリギリ、岡田をかわしてトップ目に立つ。

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