「今シーズン1(イチ)効きました」と言わしめた 『スナイパー寿人』の一撃…!【Mリーグ2024-25観戦記 12/26 第2試合】担当記者 ゆうせー 鈴木優 vs 醍醐大 vs 佐々木寿人 vs 渋川難波

それでも全体的にスピーディーなのは間違いないし、それまでに紹介した一連の選択では、速度差がほとんどない。

捨て牌のトーンなど、打牌速度以外にも進行状況を読める情報はある。しかしそれでも、寿人はその早さで相手に「間合い」つまり「手牌の相対的な距離感」を簡単に読ませないのが強みだ。

これも一つの、

「プロの麻雀」である。

手痛い放銃となってしまった渋川。「【3マン】は、少し前に出て(寿人が)鳴いていないので、(タンヤオ赤赤などの)高いダマは出てきにくいと思った」とも後に語った。

もちろん、ション牌の【發】を寿人は打ってきているので、警戒自体はしていたことだろう。

【3マン】だけ切っておいて、あとは合わせ打ちをしていこう」

という考えだったそうだが、ここは寿人に軍配が上がった形だ。

背後に迫っていた、寿人の静かなる一撃。

試合後のインタビューで、渋川はこの場面を、

「今シーズン1効きました」

と表現し、心情を吐露した。

インタビューで聞かれたとはいえ、渋川がこうして「ミスかもしれない部分をしっかりと自己分析して振り返る」姿を、私は潔く、また格好いいと思う。

パーフェクトに打ち続けられる人間はいない。

気になる点は省みて、次へ繋げていく姿は、疑問手だらけの我々素人を勇気付けてくれるもの。これもまた「プロの姿」だ。

そして、寿人。

振り返れば、南1局にアガったときも、

このテンパイからの、

ノータイムダマテン!!

そして、

渋川が処理しようと試みた、5枚目の【4マン】【7マン】を、

ピンフ赤赤、3900は4200のアガリでとらえたのであった。

ダマテン気配は非常に分かりにくそうだ。

オーラスでは、

フリテンのリャンメンテンパイをツモアガって、接戦を制した寿人。

「柔よく剛を制す」といったスマートな内容で、年内最終戦をトップで飾った。

インタビューで、自らの勝利を喜ぶだけでなく、

「みなさんにとってもいいプレゼントになった」

とファンにも思いを馳せていた寿人。

そして番組終了後には、

同卓した渋川へのリスペクトも表していた。

そのような形で、KONAMI麻雀格闘倶楽部、2024年最後の試合は、

佐々木寿人が、美しく締めくくった。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/