名料理人、佐々木寿人が贈る
極上の三皿
文・千嶋辰治【金曜担当ライター】2025年4月11日

第1試合
東家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
全19局のロングゲームを制したのは、KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人。

このゲームでは「名料理人」と化した寿人によるフルコースを堪能したい。
「素材の味をそのままに〜あり合わせで作った前菜」
序盤は太が点棒を稼いだが、その後の放銃で東4局の頃には四者横並びの状況に。

昨日はチームが連続4位で大きくポイントを減らしてしまった格闘倶楽部。
寿人としてはなんとしても巻き返したいところだが、ここまでは原点から6,000点ビハインドの4番手に抑え込まれている。
その寿人。

第1ツモを手にするとがトイツになってチートイツのイーシャンテン。
他家が字牌整理も終わっていない4巡目にテンパイを入れて即断のリーチ。

赤ドラ入りのルールでは時折見られる「赤5単騎」待ち。
ラス目からの苦し紛れに近い単騎が空を斬る… そんな場面を見たことがある方は多いはず。
が。

それをこともなげにツモってみせる寿人。

「あり合わせ、ですね。」
対局後、インタビュアーの襟川麻衣子プロにこの局の印象を聞かれ、一言だけ照れ隠しのようにつぶやいた。
寿人は「がらくたリーチ」の使い手。
難しい待ちでも果敢にリーチを放ち、それをツモり上げるのが得意技であるのは皆さんもよくご存知だと思う。
しかし麻雀において、そんな特殊能力みたいなものが存在するとは信じ難い。
が、寿人のこんなアガリを何度も見ているとそう言うこともあるのかもしれないなという気持ちになってしまう。
皆さんはどうお感じになるだろうか?
「寿人シェフ渾身の一皿〜がらくたリーチラス牌一発ツモ」
東4局1本場。
一撃でトップ戦線に復帰した寿人の親が続く。

ドラは。

配牌にはドラも赤もない。
さらにペンがいかにもネックブリーカーになりそう。
仕掛けも打てず安い上に重たい配牌を手にするが、まさかこれが4,000オールの仕上がりになるとは…。
この局は特殊技能を持つ寿人シェフならではという仕上げを堪能していただきたい。
2巡目、

と持っていたマンズに
がくっついて両面ターツができたが、
の2度受けの形。
ドラがであり、捌くのに苦労しそうなパーツである。
3巡目、

苦労しそう… と思われていたところへドラのをツモ。
カンとペン
という、いわゆる「がらくた」受けが残るもあっという間にイーシャンテンに。