【徹底検証】萩原聖人は、多井隆晴の染め手に勝負すべきだったのか？【Mリーグ2024-25セミファイナル観戦記 4/24 第2試合】担当記者 ゆうせー

打の段階で、や、そしても手にあるなら、

役役役 チー ツモ

からを残して打としたあと、を引いてのトイツ落としを始めた場合、またがあとに出来た、

役役役　チー ツモ

でツモ切ったのちに、を引いてきて打としたケース、

役役　チー ツモ

から打として、役牌がアンコになってを捨てたパターン、これらくらいだろう。

よって、たろうに鳴かれてもいい、もしくは、たろうの安手になら刺さってもいい、とを打つ選択肢も有力だ。マンズや字牌を切って、多井に鳴かれたり刺さったりするよりはマシだ。

ただ、仕掛けの打点が高かろうと安かろうと、なんせ萩原は、

「親を落としたくない」

と考えたのではないだろうか。

たろうにも楽をさせないで、ギリギリまで粘る。そして、アガリやテンパイで親を繋いで、連対することを目指していたのであろう。

さらに次は、

多井が手から１枚切れのを切る。

「ポン」

これをたろうがポン。打とする。

テンパイであると読めるが、

数巡後、なんと、たろうが手からを捨てたのだ。

このは場に２枚見えていた牌だ。

テンパイ濃厚の４枚態勢になった時点で、安全牌としてを抱えているのはおかしいと読める。

よって、「打=トイツ落としでの迂回」と判断できるのだ。

だから萩原は、

を引いてきたときに、

打としたのだろう。

親番を維持すべく、粘りを見せていく。

次の巡目に萩原は、

ドラのを重ねた。

俯瞰で見ると、

このような局面になっている。

萩原は、

打とした。

ドラを重ねたので、萩原の手は七対子のリャンシャンテンになった。

対面の多井はまだマンズが余っていないので、萩原は自分が切っているを処理した格好だ。

また、「多井がホンイツをしているのなら打点的にドラのが手にある」と読んでいたので、こちらにが重なれば押し返せると考えたとも、萩原は試合後に語っていた。

ただ、

ドラがトイツになったとはいえ、自分は七対子もメンツ手も「リャンシャンテン」だ。

しかも、以前に自分がを切ったときと比較しても、巡目が経ち過ぎている。もう捨て牌３段目なので、ション牌のを抱えた状態では、アガリは勿論、テンパイすら厳しい。

さらに多井は、「ション牌の→１枚切れの」という切り順なので、基本的には重ねやすさより安全度を重視した切り順だ。手格好としては、どちらも要らない、すなわち形が決まっているケースが多いだろう。ならば、が手から出た時点でテンパイしている場合もあると考えられる。

そして、ブロック充足のホンイツではなく、チンイツだから字牌がどちらも要らない、というパターンもある。その場合には「まだ全然場に見えていない、数字の大きい方のマンズ」は危険である。

もちろん、高確率で多井がテンパイ、とは考えられないが、「自分の手がリャンシャンテンであること」「巡目が深くなったこと」「浮き牌が２枚とも通っておらず、多井のテンパイ可能性も否定出来ないこと」、これらを合わせると、ここはを打たない方が良かったと考える。

メンツ手も七対子もリャンシャンテンを維持できる、打がいいだろう。

着順として上を見たい気持ちもあるが、

ボーダー争いを考えると、３着キープも重要だ。

このあと、萩原の切りたい牌が多井に通ったときだけテンパイを目指す、という方針で進めるのがバランスとしてはいいように思う。

皆さんはどう思うだろうか？

現実は、非情であった。