かくして大一番の起用に応えた黒沢咲だったが、対局後には笑みと共に本音がこぼれた。

「出たくなかったです〜こんな(大一番に)…いや、こんなこと言っちゃいけない(笑)。光栄なことだったんですけれど、痺れましたね。」
ホッとした表情でそう語る黒沢だったが、最後にこんなことを語った。
「チームメイトが本当にいっぱい声をかけてくれたんですよ。珍しく萩原さんまでがニンジンをぶら下げてくれて…普段から美味しいものをいっぱい買ってきてくれるし、ご飯を食べにいけばいつも奢ってくれるので、ニンジンどうこうじゃないんですけれど(笑)。
そう言ってくれた気持ちに応えたいなっていう気持ちで打ったので、なんとかトップを取ることができて良かった。」
大福やどら焼きなど、セミファイナルシリーズの雷電はラッキーフードに支えられていたようだが、瀬戸熊直樹が語っていた、
「出る人が一番良い精神状態で送り出すのが僕の仕事。」
というマインドがチームの中で徹底されているのが雷電の好調に繋がったのだろう。
レギュラー、そしてセミファイナルとハラハラしながらも勝ち抜いて、ついにファイナルへ。
雷電ユニバースよ、ファイナルも祈れ、最後まで!
(「祈れ、最後まで」とは、筆者の尊敬する小説家、鷺沢萌さんが書いた小説のタイトルから引用しました。胸が熱くなる名書なので、ぜひお読みになってみてください。
そしてめめ先生、タイトルをお借りしてすいませんでした。一緒にご飯を食べたよしみでお許しください。何卒。)