さらに、Mリーグのルールはトップの比重が重いルールで、静観してもそう簡単にトップ目を逃がしてはくれない。
だからこそ、この試合での本田のような自分でケリをつける戦い方は、Mリーグ適性が非常に高いといえる。
この本田の戦術、言うは易しだが、実行に移すのは非常に難しい。
というより、並大抵のメンタルでは実行に移せない。
「仕掛けて守備力が落ちて、放銃してしまったら…?」
「リーチしたことでアガれなくなってしまったら…?」
こんな失敗への不安が浮かんできてしまうのが人間というもの。
緊張が走るMリーグの場でその幻影を断ち攻め切ることが出来るのも、本田がトッププロたる証だ。

最後までまっすぐ戦い、ハラハラ、ドキドキ、ワクワクさせるような本田朋広の麻雀。
そんな麻雀も、また面白いんです。
さあ残すはあと12回。選手も、ユニバースも、誰も諦めてなどいない。
それを示すかのように、本田が去った後のシャーレが光り輝いていた。

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