運命を明日へ「持ち越す」ために──“麻雀賢者”赤坂ドリブンズ園田賢がオーラスに出した、2本のリーチ棒【Mリーグ2024-25ファイナル観戦記 5/15 第2試合】担当記者 ゆうせー

ただ、この点差で、ラス目の園田が【3ソウ】【3ソウ】【6ソウ】【7ソウ】【7ソウ】あたりから【3ソウ】をポンしてまで愚形テンパイを恐れずに鳴くか、と言われると疑問だ。可能性としては低い方だろう。

むしろ、もう一つのパターンである、「【6ソウ】にくっつかずに、食い伸ばしをしてターツが出来た」パターンが濃厚だ。

【3マン】【4マン】【5マン】【6マン】【6ソウ】(アタマ)

これなら自然である。そして、ラス目の仕掛けであることを考慮すると、本命はドラがトイツの、

【3マン】【4マン】【5マン】【6マン】【6ソウ】【8ソウ】【8ソウ】

となる。

他には、レアケースとして、攻撃MAXに構えた【3マン】【3マン】【4マン】【4マン】【6ソウ】【8ソウ】【8ソウ】あたりもなくはないが、いずれにせよ言えるのは、

このイーシャンテンから掴んだ【7マン】を、

おいそれと打つような本田ではない、ということだ。

一通を崩してまで、【7マン】をキープ。

実際に園田は、

ドラがアタマの【4マン】【7マン】待ちであった。

きっちりと読み切った、本田朋広のナイスプレーだ。

また、この局は、

茅森も仕掛けていたが、

仲林は字牌をガッチリとキープ。

この人たちにかかれば、欲しい牌もそう簡単には出てこない。

これが、プロの麻雀。

しかも、仲林は、

茅森が終盤に【北】を切って、手を崩したのを見て、

止めていた【北】

【南】と打って、

テンパイを取りきった!

これも素晴らしいプレーだ。

優勝を争う、実にハイレベルな戦い。

粘って好位置をキープした仲林は、南4局に、


即リーチを放つ。

下家のライバル茅森がピンズの真ん中を捨てており、速度感のある河をしていることから、タンヤオで組み替えずにそのままリーチをしたのだろう。

ここで切った【5ソウ】を、

茅森が【4ソウ】【6ソウ】でチー。

2着を巡って、遠いところからでも参戦していく。

そこへ、

園田も追いついた!

リーチのみの手だ。

しかも、ツモや仲林からのロンは、

暫定総合1位のフェニックスを、この半荘戦2着に押し上げることとなってしまう。

ただ、Piratesがこの半荘を3着で終え、総合でドリブンズの下にいる場合、それはそれで明日ドリブンズは、

「上のフェニックスをまくる」

ことを中心とする、というように方針が立てやすくなる側面もある。

また、ここで黙って見ていて、ガンガン素点が削られていくのも良くない。

よって園田は、

リーチ棒を出して、めくり合いを挑んだ!

このような場面では、やはり選手の行動指針は気になるかと思うが、Mリーグでは、

1位だけでなく、2位や3位にも賞金がある。

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