石井一馬、
初トップの熱闘!
アースジェッツが魅せた
攻めの麻雀
文・宮水さくら【木曜担当ライター】2025年9月25日
今期から新たに導入された“2卓同時開催”が、この日ついに幕を開けた。
会場には2つの卓が並び、別卓の試合がカメラの奥に映り込むほどの距離感。その近さに驚かされたのは、映像だけではない。隣の卓から牌を落とす音、積み重ねる音までもがはっきりと聞こえてくる。これまでにない舞台が、選手たちに新たな緊張感を与えていた。
そして第1試合の舞台に立つのは
第1試合

東家:浅見真紀(赤坂ドリブンズ)
南家:石井一馬(EARTH JETS)
西家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
今回の観戦記の主役は、EARTH JETSの石井一馬だ。デビュー戦では見せ場を作りながらも悔しい3着という結果に終わったが、その内容からは確かな可能性が感じられた。新チームの一員として求められるのは、勝利という形で勢いを示すこと。冷静で隙のない打ち回しに加え、勝負所で一歩踏み込む決断力を兼ね備える一馬が、Mリーグの舞台で初トップを掴み取れるのか。
東1局
Mリーグ初トップを目指す一馬の出だしを占う東1局。西家・滝沢が七対子の単騎でテンパイ。2枚切れのためヤミテンに構えてから、
単騎で先制リーチを打つ。

このリーチで場の空気が一気に引き締まる。

ここで一馬も追いつき、–
待ちで追っかけリーチを放つ。 リーチピンフドラ1からの勝負手は、まさに勝負どころの一局。それぞれの待ちの枚数は
が3枚、
–
が4枚で、
待ちの方が出アガリの確率がわずかに高いため、いい勝負か。

一馬の手に力がこもる。眼鏡越しに鋭い視線を送るその姿には、アースジェッツカラーの緑と赤を配したチーム特製メガネからも気合いが感じられる。

そしてを掴んだのは滝沢。裏ドラが1枚のり、満貫8000点の大きなアガリを決めた。好配牌を活かし、初局からチームに勢いをもたらす一手。一馬の調子が一気に上がったことを予感させる場面となった。
東2局
一馬の親番で、更なる加点を目指したいところ。

浅見は早くも清一色を目指し、チー、
ポン、
ポンと派手に仕掛け
単騎のテンパイを入れる。場は浅見の染め手模様の仕掛けに注目が集まる。

一馬は浅見が切り出したを、
バックで仕掛ける。 ここで滝沢がイーシャンテンから
を切ると、一馬がポンして
–
でテンパイ。4枚残りの待ちで、これはぜひアガリたい局面だ。

しかし滝沢が一馬の待ち牌を回収し、カン
のテンパイ。1枚残りで、役なしのヤミテンに構える。

結果、滝沢はをツモアガリ。

500-1000点の加点に成功し、浅見、一馬の大物手を流すことに成功。
一馬は、あと一歩及ばずアガることはできず、悔しさだけが手元に残る局となった。
東3局

3巡目、黒沢が–
で先制リーチ。

そこに一馬も同じ–
待ちで追いつき、局面は早くも勝負どころに。一馬にとっては3局連続のテンパイとなる。

そして一馬がをツモアガリ。リーチ・ツモで500-1000点の加点に成功し、同じ待ちでの捲り合いを制した。
東4局

一馬が4局連続で聴牌を入れる。カンを引き入れ、
と
のシャンポン待ちでリーチを放つ。 ドラはなく、待ちも愚形ではあるが、ここは迷わず強気のリーチだ。字牌と端牌が待ちという点もあり、攻めやすい局面だったと言える。

常に強気で攻め続ける一馬。その表情や手の動きからは、明らかに気合いが入っていることが伝わる。静かに見える眼鏡の奥で、勝利への熱意が燃え盛っているかのようだった。
