
このをつかんで、堂岐の手が止まる。

盤面を見つめる堂岐。

は通っていない。
みなさんならどうするだろうか。

堂岐が出した結論は、

プッシュだった!
立体図で見ると、

無筋の数は、あと9本。
それぞれ濃淡はあれども、仲林のリーチがリャンメンだとしても、10%程度。
マンズピンズソウズ、待ちとしてブロックが残っている可能性がそれぞれにあるので、この通っていない筋を数える「ラインカウント」の概算方法も使いやすい局面だ。
(マンズが–
しかない場合の
切りリーチなど、待ち候補のブロックに色の偏りがある場合は、また概算方法が変わってくる。)
仲林のリーチが愚形待ちである可能性も含めて、こちらがテンパイしていたらまだ押せる範囲だろう。
加えて、仲林の第2打がであるため、
と持ったカン
待ちが出てきづらいのもある。
先に述べたように、点数状況としても仲林に放銃したとて、自分がトップ目で局が進むので、とんでもなく悪いことではない。
また、ドラのが2枚切れているため、高い手が組みづらいとも言える。
方針としては、トップ目なのでツモってもらうために、気合いでオリるのもあるにはあると思う。
ただ、場に出ているリーチ棒が全部で3本あるのも、アガリにいくことを後押しする。現物が2枚しかないここは、まだ押し有利と私は考える。
押し:オリ=65:35
くらいの感覚だが、みなさんはどうだろうか。
なにはともあれ、堂岐はを押したわけだが、

次にを引いたところで、打
とする。
押すのはまでで、次に厳しいところがきたらやめる、という方針だったのだろう。
だが、「俺達のタカキ」はアガリを諦めていなかった。
「チー」

堂岐はを鳴き、
を切り飛ばしてテンパイをとったのだ!
確かに、仲林は、リーチ前にを切っているので、このマタギ筋である、
–
や
–
は比較的通しやすい。
このあと、決着がついた。
「ロン」

アガったのは堂岐だった!
タンヤオで1000は2200点のアガリ! リーチ棒3本を含めて、5200点の収入だ!
ちなみに、仲林の待ちは、

ペンであった。
押して、引いて、また押して、というヒットアンドアウェイ戦法を成功させた堂岐。
このときABEMAのコメント欄は、
「タカキ!!!!!!!!!」
「俺達のたかき!」
「タカキタカキタカキ」
と大盛り上がりだった。
このアガリが決め手となって、

堂岐が一馬の追撃を振り切り、トップを獲得。今季2勝目を上げた。
去年、スコア自体はマイナスだったかもしれない。
しかしファンは、それまでも含めて、ずっと見ているのだ。
タイトル戦やオーディション、そしてMリーグで闘う堂岐の姿を。
堂岐を知った時期はそれぞれに違おうとも、見ているのは同じ「真剣に打つ姿」と、「試合後の明るく優しい表情」。
そんな浅井堂岐を応援する人がどんどん増えていることは、コメント欄からも強く伝わってくる。
そう、ここ数年で浅井堂岐は一人の麻雀プロであると同時に、「俺達のタカキ」になったのだ。
それは、南2局4本場のアガリだけではなく、
