その直後、逢川が
をポンしてトイトイに向かうが、滝沢が
をツモアガリ。
裏ドラも1枚乗せ、リーチ、ツモ、タンヤオ、イーペーコー、ドラ、赤の3000-6000。
南3局
トップ目・小林が41,200点。追いかける滝沢は30,000点持ち。
まだ1万点以上の差があるが、このところの滝沢の安定感を見ていると、「すぐに追いつくのでは」と思わせてしまう不思議な説得力がある。
5巡目、滝沢がドラの
を引き入れ、![]()
待ちでテンパイ。
456の三色も見える最高の形。

そのままリーチをかけると、すぐに
をツモ。
リーチ、即、ツモ、平和、ドラ、赤、3000-6000。
試合後のインタビューで滝沢は、
「これはMリーグを観ている小学生や中学生でもアガれるアガリです」
と静かに笑った。
だが、このアガリは偶然ではない。
一つひとつの選択を丁寧に積み重ねてきたからこそ、たどり着けた必然のツモだった。
南4局
2局連続でハネマンを決め、ついにトップ目に立った滝沢。
親番を迎えるこの局、2着目の小林も逆転条件を満たす手牌を整えていたが、元太が3着目を確定させるアガリを決めて勝負を終わらせた。
滝沢の4連勝が確定。
Mリーグ8年目。今季から監督としてKONAMI麻雀格闘倶楽部を率いる立場となった滝沢は、チームの中心として、そして一選手としても、見事なまでの安定感を見せている。開幕からの無敗。誰よりも静かに、しかし確実に勝ち星を積み重ねてきた。
試合後のインタビューで、滝沢はいつものように控えめに語った。
「目立たなくていいんです」
その言葉は謙遜ではなく、信念だ。麻雀は目立つために打つものではない。勝つために、そしてチームのために打つ。彼の麻雀は、派手さよりも“整っている”という言葉が似合う。
だが、その静かな勝利の積み重ねが、どれほどチームに安心感を与えているか。
麻雀は時に流れのゲームだ。勢いが続くときほど、油断は命取りになる。
だが滝沢は、流れに飲まれず、ただ静かに波の上を歩くように勝ちを積み上げていく。
誰よりも落ち着き、誰よりも丁寧に、誰よりも勝利で示す。
Mリーグ8年目、監督として迎えたこのシーズン。
滝沢和典は今、冷静さ、そして勝負師としての確かな輝きを兼ね備えた“理想のリーダー像”を体現している。
その姿はまさに、KONAMI麻雀格闘倶楽部の大黒柱そのものだった。

2025年3月に大学を卒業後、麻雀店に勤務しながら麻雀YouTuberとして活動中。フリー雀荘での実戦動画を中心に配信し、noteではコラムや動画の裏側を発信。麻雀をもっと身近に、もっと楽しく届けることを目指している。
















