こうして東場は、優の “サイコロジカル・トリックによって静かに支配されていった。
次に紹介するのは、さっきとは真逆のパターン。
テーマは“たくさん見せることで逆に見せる”だ。隠すばかりがトリックじゃない。
南1局
その始まりは、本田朋広の4巡目ツモ
から。
左端に整然と並ぶ![]()
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の鳴きフォーメーション。
どうやら仕掛ける気満々の構えらしい。そして、滝沢から溢れた
に対して
ともくん(本田朋広)
「それはポンッだ!」
そして、ここからはともくん劇場だ。
「トリック・オア・トリート!」
すぐさま、内川の手から打たれた
にガブッ!
ともくん、迷わず食いつく。
「お菓子くれないなら、全部もらっちゃうぞ♪」
こうなると、次々とキャンディを回収していく悪戯っ子のように
今度は優の甘〜い
を奪うと
極め付けは、まるで最後のキャンディを見逃さないように内川の
をすかさずキャッチっ!!
気づけば、あっという間に裸単騎
待ち。
ともくん“やんちゃすぎる”やりたい放題だ!!
ただしこうなったら、これが正解なのである。
トップ目の優から、怖い怖いリーチを受けてしまう“ともくん”は…
の方が安全っぽかったけど、あえて危険な
をズバッと勝負!
だってこの手は、守るためにあるんじゃない。
先にアガることこそ、最大の守備。
先にアガる事が守備に繋がるからだ。
マンガンツモで沈んでたチームの空気を、まるでジャック・オー・ランタン🎃みたいな表情で吹き飛ばす本田。
このアガリにより、“トップ”という最後の“お菓子🍬”は優と本田の奪い合いに。
それは南4局──
勝負の行方を決める分岐点は、優の8巡目にやってきた。
鋭い視線を河に落とすと
に手をかけた!
そうさせたのは、下家・本田の捨て牌だった。
ピンズが一枚も切られておらず、場況の良いマンズとソーズで勝負する公算が高い。
だが、この手組みにはひとつだけ“トリック”が潜んでいる。
それは、タンヤオが確定しないということ。
優にテンパイが入る。しかし、ここでリーチを選べば、脇に2,000を打てなくなる…
甘いキャンディーのように見える手牌も、噛んでみればほろ苦い。
優の選択は強気に
「リーチ!」を放つことだった。
そして、リーチしていなければアガれなかった
ロン。














