親番のないまっきぃさんがホンイツに向かって、
のポンを入れる。
ここでJOKERさんへの満貫ツモの親被りが決まれば、オーラス満貫ツモで優勝だ。
ラス目になっている寿(とし)さんも弩級のイーシャンテンである。
を勢いよくツモ切りし、優勝へのルートを探る。
やっと完成した勝負手のリーチ。
は前巡に2枚目が切られてしまったが、ここから待ちを探している時間など残されていない。
高目ツモとはいかなかったが、まっきぃさんがホンイツ・
の1,300-2,600点で手牌を倒す。
寿(とし)さんに残された条件は役満ツモとなった。
南4局
最後の砦となった親番の吉永和生さんが
を叩いて連荘を目指す。
JOKERさんの前にゴールテープが用意された。
引き入れたのは絶好の
で、3メンチャンのテンパイである。
迷わずリーチを放つ。
しかし、勝負は一筋縄にいかない。
ハネマンツモor満貫直撃条件のまっきぃさんが追っかけリーチを敢行。
直撃で裏ドラが乗れば大逆転である。
絶対にオリることのできない親番の吉永和生さんにもテンパイが入った。
誰のアガリ牌が最初に顔を見せるのか──
吉永和生さんが放った
で、JOKERさんの手牌が倒れて試合は終了。
序盤のリードを減らすことなく守り切ったJOKERさんが見事に優勝を果たし、ファイナル進出の切符を手にした。
数年前まで、私は麻雀店に10年程勤めていたのだが、当時の常連様であったJOKERさんがアマチュア代表としてファイナル進出というのは感慨深いものがある。
店では愉快なオジサンだったはずが、インタビューでは澄まし顔を決めてカッコ良いじゃないか。
一緒に観戦していた妻に言われるまで、全くの別人にすら見えていた。
夢半ばで散っていったアマチュア選手全員の希望を背負ってJOKERさんは夢の舞台へ足を踏み入れる───

坪川義昭(つぼかわよしあき) 日本プロ麻雀協会5期前期生。雀王戦B1リーグ所属。行政書士法人石田事務所に勤務。 https://www.ishida-tomoyuki.com X(旧Twitter): @eehounotsubokku














