その一打、-92,000点につき。瑞原のMリーグ史上「一番ショック」な放銃。【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/12 第1試合(麻雀LIVEチャンネル)】担当記者 虫かご

さらには、【白】を鳴いた元太から【南】が打ち出される。

当然これをポンし、【中】、ダブ【南】チャンタ、ドラ3で跳満確定のテンパイを入れた。

しかし元太も、直後に【9ソウ】を引き入れ【4マン】【7マン】のテンパイを入れる。3着死守にむけて元太も負けられない。

山に3枚残されていた下石の待ち牌【3ソウ】。なんとつかんだのは、トップ目の瑞原だった。この前巡、【1ソウ】が重なりチートイツのイーシャンテンとなっていた瑞原は、安全牌の【北】を離していた。手には完全な安全牌がない。しかも、下石の河には【6ソウ】。筋の【3ソウ】がかなり選ばれそうに見えるが……。

少考の末に瑞原が打ち出したのは、【3ソウ】だった。

「ロン。12000」の申告。

アガった下石はトップ目に、放銃した瑞原は一気にラス目に落ちる痛恨の1打となった。瑞原目線では、トップ目の順位点+50を失った上に、4着目の順位点-30、さらには素点の-12と、点棒換算すると-92,000点の価値がある、あまりにも重い放銃となってしまった。

点数申告に対し、瑞原が絞り出すように発した「はい」の声。極めて冷静に状況を受け止めてはいるが、どこか自身への怒りのような感情がにじんでいた声色が印象的だった。

 

女海賊の航海は続く

試合後のインタビュー。瑞原が口にしたのはオーラスまでの「道のり」だった。

特に言及したのが東3局

最終的に流局とはなったが、下石が13巡目にリーチをかけた局面があった。

その3巡後に、下石が【1ソウ】をもってきた場面。

瑞原の手牌はこのようになっていた。

【1ソウ】をポンして、下石が捨てた【5ピン】の筋である【8ピン】を切れれば形式テンパイを取れが、この【5ピン】が「何かを選択して手出しされた牌に見えた」ことで声をかけなかった。試合後のインタビューで、このテンパイ料は稼いでおくべきだったと振り返っている。

その他の場面でも、できたはずのハイテイずらしや、字牌の切り順など、細部の詰めが甘くなってしまったことがラスにつながったと反省。「当然の4着だったかな」と悔しさをにじませた。

前日から続いて3戦連続のラスとなったPirates。試練は続くが、それでも彼女らの航海は続く。この日、解説席に座った前田直哉も「取り返しますよ。あの子は大丈夫」と太鼓判を押す瑞原の復活劇に期待したい。

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