白熱のボーダー争い直接対決!を横目に、中田花奈は確かな成長を示し続ける【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 3/3 第2試合】担当記者 カイエ

親の渋川も苦しい状況ながら意地を見せたい。
【1マン】【2マン】待ちの先制リーチが打てた。

受けて、多井。
安牌は無い。それどころか筋も壁も無い。完全な手詰まりだ。

こういう時のベタオリのセオリーはふたつ。
複数枚ある牌を選択すること。
この場合は【6ソウ】だがさすがに2筋にかかったドラも含み得る牌は切れないか。

もうひとつは、そう。

文字通り、手牌の端にある、端の牌を切ること。
タンヤオに当たらない端牌は、この【1マン】だけだった。

それでも裏が乗らなかったのは不幸中の幸い。
多井、再び、裏ドラに助けられたかたち。リーチ・赤の3900点で、勝負は続行。

南4局2本場

ファーストテンパイは本田。

ドラと赤を内蔵し3900点の1本場は、どこからアガってもトップ。
今シーズンの行方を左右するくらい大きなアガリとなる。

しかし、本田の待ちである【2マン】【5マン】は山に1枚。
そして中田が追いつく。アガリトップの【3マン】【6マン】待ちは、無論どこから出てもOK。

遡って、その前巡の多井。
テンパイ一番乗りが見込めないこの手牌では、【赤5ピン】ターツを払ってきた本田に対応して、危険牌を先切りしていきたい局面。すると【2マン】に手がかかってもおかしくない。直撃4200点は雷電がABEMASに2着順差をつけるトップ-3着。
耐えて耐えて、一度はトップに立った多井からすれば、地獄へと突き落されるようなものだが。

多井の感度からすれば、それは杞憂だった。
ここはインタビューでも言及したように、ドラ表示牌の【2マン】での放銃はドラの【3マン】が絡み、本田ダマテンでも条件を満たす。だからこの【2マン】は打たないと決めていたのだというのだ。これぞ「多井なら止めてた」を地でいく、素晴らしい守備力&危機察知能力。

そして、すでに結果が映されている通り、

本田とのマンズ待ち対決を制した中田が再逆転でトップを持ち帰った。
多井は執念の2着死守。

この終盤の条件戦下において、このメンツを相手に見事なトップ獲得。

昨年までならこの時期の起用自体が無かっただろう。それだけチームに余裕があるし、中田にも余裕がある。むしろ貴重な経験を積めたのが大きい。
伸びしろしかないプロ5年目は、今まさに進行形で急成長の真っ最中なのだ。

渋川はチーム状況さながらに苦しかった。序盤の大物手がどちらかでも炸裂していれば。
本田はあと一歩が届かずも、ABEMASと1着順差であれば最低限。まだ、何も決まっていない。
多井も残り試合数が減っているなかでプラスを積み上げられたのは大きい。

3月3日、ひな祭り。
桃の節句に、唯一の女性である中田が勝利し、9勝目。
そしてこれで何と、女性選手のトップに立つ、個人成績第6位。実に228.4Pを稼いでいる。

富める者が富む。良い循環が好結果を生む。伸び伸びと打てている。
メンタルゲームである麻雀において、その余裕は戦術的な幅を広げ、選択に勇気を与えるだろう。
この波に乗って、中田自身も急速に成長している。早くもセミファイナル以降が楽しみだし、その経験を経ての、来期も楽しみだ。

毎年、ボーダーに引き寄せられるかのように、この時期・この位置にいる印象のある雷電だが、RMOの標語が示すように、雷電の麻雀が面白いのはもちろん、雷電というチームの、Mリーグを盛り上げる力は凄い。ユニバースにとっては胃の痛い日が続くが、視聴者として、観戦記者としては、最後の最後まで縺れ、見所のある展開は、そう。
おもしーんです!

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