極限の勝負に、残酷な幕切れ 白鳥翔 最終盤、ボーダー上の死闘【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 3/16 第1試合】担当記者 後藤哲冶

熟考の末に、白鳥が選んだのは、【8ソウ】
勝又の現物且つ、本田にも通りそうなワンチャンスの牌。
本田への放銃は最悪だが、勝又への放銃も、良しとできる場面ではない。
白鳥が選んだのは、どちらにも通りそうな牌を絞り出すルートだった。

「無い……! なにもない!」

実況日吉の絶叫が響く。
白鳥にとって、地獄の時間だった。

それでも、最後までその地獄を耐え抜いた白鳥。
この局は勝又と本田の2人テンパイで流局。
本田との点差は開いたが、放銃になるよりましなのは言うまでもない。

南1局1本場
優が2000、4000のツモでさらに抜け出した。
この後、白鳥の親番である南2局には勝又が2000、4000をツモアガったことで、白鳥と本田の2位争いが激化して、最終盤へ。

南3局1本場

本田が先制リーチにたどり着いた。
リーチタンヤオピンフ赤、高目イーペーコーの大物手。
ここでの3000、6000は、白鳥にあまりにも大きな条件を叩きつけるとともに、トップまで可能性を残すアガリになる。

白鳥は【白】をポンしてピンズのホンイツ模様だったものの、当たり牌の【3ソウ】を掴んで撤退。
ここで本田に対しての放銃は絶対にできない。

しかしそれでも、アガリを手にしたのは本田だった。
勝又がくっつきの形で残した【6ソウ】が捕まり、8000の放銃。
対して本田は8000の加点で…… これで白鳥に条件を突きつけた。

10000と700点差。
この700点が大きい。マンガンツモではギリギリ足りず、跳満ツモ条件になってしまった。
ただ、下の勝又と点差が離れているのが大きい。
跳満までは打っても3着のままなので、勝負に行きやすい。

南4局

白鳥が丁寧に手を進める。
現状跳満ツモには程遠いが、チートイツを残しつつ手を進める。

白鳥にはもう1つ、逆転のルートがあった。

リーチ棒が出ること。
優がリーチと言ってくれたおかげで、本田を逆転する条件がマンガンツモに緩和された。
ここは対子の【北】を切りつつ、リーチタンヤオピンフ形を狙っていく。
最悪リーチタンヤオだけでも、ツモって裏でOK。
十分、逆転の目が。

「ロン」

思いがけず、切った【北】にロンの声がかかる。

対子で持っていた【北】が当たってしまった。
……仕方ない。
雷電の上で終わることはできなかったが、1着順差なら──

「16000」

──胸元を貫くような残酷な一撃。

静まり返る対局室の中で。
渋谷ABEMASファンの、悲鳴が聞こえた気がした。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/