渡辺太、昨年の悔しさを晴らす完勝劇【Mリーグ2025-26 セミファイナル 観戦記 4/9 第1試合】担当記者 喜多剛士

トップ目の太は赤2つを抱えた形からドラの【白】を重ねリャンシャンテン。

【白】バックの仕掛けも視野に入り、選択肢が一気に広がるはずだったが、その【白】は親の下石と持ち持ち。本来なら勝負手になるはずの手牌が、逆にアガリ難い形へと変わってしまう。

しかし太はここで自風の【西】を重ね、手牌が一変。

【白】【西】のダブルバックが可能となり、シャンテン数こそ変わらないものの、どこからでも仕掛けられる形へと進化した。

テンパイ一番乗りは伊達。しかし、カン【2ソウ】はすでに3枚見えで残り1枚。

巡目はまだ中盤。さすがにこのテンパイは取りづらい。

伊達は打【1ソウ】として、変化をしっかりと待つ構えを選んだ。

下石は2副露してドラ【白】バックのイーシャンテン。だがその【白】は太と持ち持ちで、こちらも苦しい状況が続く。

そしてテンパイを外していた伊達が【6ピン】【5マン】のくっつきイーシャンテンから【4マン】を引き入れてリーチ。

そこへ太が追いつく。薄い【6ソウ】【9ソウ】を引き入れてテンパイ。ダマでも満貫だが、終盤のションパイの字牌がリーチをしている伊達以外から出る可能性はほぼない。であれば、伊達から放たれた場合に跳満となる価値を評価し、太は熟慮の末にリーチを選択した。

その判断が最高の形で結実する。

次巡、【西】を一発ツモ。

リーチ・ツモ・一発・【西】・赤2・ドラ2で4000-8000。

東1局に続く大きなアガリで、太が試合の主導権を完全に握った。

その後、流局を挟んだのち、太が伊達から満貫を直撃。

これで点差は大きく開き、太はダントツのトップ目のまま南3局は流局となりオーラスへ突入。

 

南4局1本場

ダントツの太は、“朝まで親を続けたいと意気込む。

その太に、嬉しいドラ【8ピン】が重なる。【6マン】を放ちチートイツホンイツを見ながらの進行。

ここで太はカン【2マン】をチーして、中の後付けとなる仕掛けを選択。

本来であれば、索子のターツを先に払っておけば【西】【4ピン】【8ピン】【中】とポンが効く形が残り、副露の速度という点ではそちらの方が明確に速い。

しかし、早いドラ切りで変則的な捨て牌の元太が字牌を持っている可能性が高く、【西】と索子ターツのどちらを先に処理すべきか判断がつきにくい局面。

そこで太は、いったん判断を保留し、打【4ピン】として6ブロックに構える進行をとった。

次巡、【西】を引く。【4ピン】【5ピン】【3ソウ】【4ソウ】、どちらのターツを外すかの選択で【2ソウ】【5ソウ】がすでに3枚見えていることから、太は打【4ソウ】を選択。

そして【6ピン】を引き入れてテンパイ。【中】の片アガリで、ドラ【8ピン】には役がつかない形だが7700と打点は十分。

太は最後のツモで【西】をアンカンで自身のツモを増やす事に成功。

そして、嶺上牌から現れたのは、なんと【8ピン】リンシャンカイホウ・ドラ4で4000all。

ダントツからさらに突き放す、まさに“ダメ押し”の一撃となった。

次局の南4局2本場では、元太が伊達から12000を直撃して2着を確保。

この試合は、太が序盤に築いたリードを最後まで崩さず、盤石の試合運びで押し切った一戦 となった。

フェニックスの元太は、守備意識を高く保ちながら、オーラスの勝負手でしっかり2着を確保。

まさに元太らしい堅実な立ち回りだった。

一方の伊達は、行くべき局面でロン牌を引かされる不運も重なり苦しい展開。

下石は最高スコア賞の名に恥じない鋭い押し引きを随所に見せたが、東1局の満貫放銃が最後まで響き、追撃の流れをつかみきれなかった。

すべては東1局の紙一重の攻防が試合の明暗を分けた。

そのわずかな差をものにした太が、序盤のアドバンテージを最大限に活かし、勝ち切る形へとつなげた。

 

昨年のセミファイナルで悔しい思いをした太。

その胸に刻んだ思いが、この日の完勝劇という形でついに結実した。

そしてこの結果、上位2チームが敗れ、ボーダーのフェニックスが連対を確保。

チームポイントはさらに混戦へと突入し、直接対決が続くセミファイナルは、ここから順位が目まぐるしく入れ替わる展開が予想される。

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