2026年の春を忘れられない季節に 佐々木寿人が踏み出した頂への第一歩【Mリーグ2025-26 セミファイナル 観戦記 4/10 第1試合】担当記者 東川亮

南3局は浅見が2度のアガリで食い下がるが、トップ戦線に絡むには至らず。オーラスはトップ争いとラス回避、二つの戦いの構図が描かれることに。

まずは亜樹に選択。一応テンパイの形だが、寿人との2700点という点差が絶妙にもどかしい。現状役なし、リーチをした場合、待ちがカンチャンでもシャンポンでもツモればテンパネ700-1300で条件クリアだが、脇からの出アガリだと一発や裏1つだけでは足りず、直撃ですら偶然役が必要となる。

亜樹の選択は【1マン】を切ってのダマテン。この後の変化を見る。

しかし最高の変化となる【4ピン】が4枚見えて、一気通貫が消滅。そこに切られた【5ピン】に、亜樹はポンの声をかけた。【3マン】を切ってのホンイツ進行だ。

寿人もテンパイ。待ちをカン【4ソウ】とカン【6ソウ】で選べたが、2枚切れとは言え亜樹の現物である【6ソウ】ではなく、見た目枚数で【4ソウ】待ちを選択。

そこに親の堂岐が参戦。リャンメンにとった【1ピン】【4ピン】待ちが既に7枚見えゆえに、ここはシャンポン待ちでリーチと打って出る。

この【2ピン】に、下家の亜樹が少考。

ここから鳴こうというのだ。

【2ピン】を鳴いて【2ピン】単騎待ちテンパイ、こういうトリッキーな待ち取りのアガリは、確か初年度くらいに園田賢がやっていた記憶がある。【4ピン】4枚見え【1ピン】3枚見え、何よりも親リーチの現物ということで、単騎とは言え待ちは最上級によさそう。打点は2600も、堂岐のリーチ棒によって逆転条件はクリアしている。

しかし、亜樹は【2ピン】に声をかけずにツモ動作を行い、引いてきた【3ソウ】を受けて暗刻の【西】を抜いた。堂岐がアガれば次局でトップに再チャレンジできること、そして現状のチームのポイント状況を考えてもここで無理をすることはないと、亜樹は試合後に語った。

そんな亜樹の目の前に、対面の浅見が【2ピン】を並べる。鳴けば堂岐が切っていた牌、亜樹は明確に一つアガリを逃した形に。ここが勝敗を分ける最大のターニングポイントだった。

【南】を仕掛けた浅見は、アガればラス抜けできる状況、堂岐に当たらずアガリまでたどりつけるよう牌を選んでいくが・・・

打ち出された【4ソウ】は寿人のロン牌。

寿人のこの試合5度目のアガリによって、KONAMI麻雀格闘倶楽部が本セミファイナルで初トップを獲得した。

試合後のインタビューで、寿人は開口一番、新しい書籍の宣伝から入った。手にした本のカバーに写っているのは寿人と、昨年10月に逝去したKONAMI麻雀格闘倶楽部の初代メンバー、前原雄大。寿人にとっては元チームメートというだけではなく、自身の麻雀人生に多大なる影響を与えた人物。

 

そうなのだ。

 

KONAMI麻雀格闘倶楽部、そして佐々木寿人にとっては、今シーズンで絶対に優勝しなければならない理由がある。

寿人は例年、ポストシーズンで苦戦を強いられることが多かった。それはレギュラーシーズン全勝のKONAMI麻雀格闘倶楽部がいまだ優勝できていない理由なのかもしれない。

しかしそうであれば、裏を返せば、寿人の活躍が優勝に直結する、とも言える。

 

2026年の春を決して忘れない季節とするために。

佐々木寿人KONAMI麻雀格闘倶楽部は改めて、まだ見ぬ頂への第一歩を踏み出した。

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