遂につかみ取ったトップ─鈴木大介が険しい表情をしていたワケとは【Mリーグ2025-26 ファイナル 観戦記 5/8 第1試合】担当記者 虫かご

決着がついたのは、最終手番だった。

亜樹が持ってきたのは、【西】。これを打ち抜き、大介への放銃となった。

【中】【西】トイトイ・ドラ6。10飜の倍満となり、大介が値千金の直撃を決めた。

気持ちの良いトップでも、極めて冷静に

この和了で吹っ切れたか、その後も大介の勢いは止まらなかった。東3局には、3段目に入ったところでリーチへ。

山に3枚残っていた【3ピン】【6ピン】を、なんとも小気味よく一発でツモった。他者を大きく突き放す4000オール。卓に牌をたたきつける手もしなり、大介の高揚感が伝わってくる。

南場も要所で和了を重ね、終わってみれば54,400点のトップとなった。

下石と登山に赴き、連日でそれぞれトップを獲得。絵に描いたような展開にさぞご満悦だろうと思ったが、試合後のインタビューに臨んだ大介の表情はどことなく険しかった。

真っ先に言及したのは「裏ドラ」だった。「乗らなかったですね……私だけ」。たしかにこの日、5回のリーチをかけ、うち4回アガった大介だったが、裏ドラは一枚も乗らなかった。南2局1本場では、裏ドラが1枚乗れば満貫の和了になっていた場面もあった。

「ツイてたんでね。1000-2000を2000-4000していかないと。追いかける立場なので、優勝するためには加点していかないといけない」と、派手に暴れ回った半荘を終えたばかりでも、極めてシビアに対局を振り返っている様子だ。ファイナルシリーズの戦いについても、対局前の時点で「(個人で)でかいトップを2回」という目標を設定していたことも明かした。

ようやくつかんだ勝利の味に浸る間もなく、冷静に個人、そしてチームを俯瞰する大介。楽屋でインタビューを見守っていたチームメイトも、改めて兜の緒を締めたことだろう。これまで積み重ねてきた研鑽、そして少しばかりの自然のパワーを蓄え、でっかいブルドーザーのエンジンが静かに唸り始めている。

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