逢川恵夢、最後まで貫いた攻めの姿勢!悔いなき最後の一打【Mリーグ2026-27 観戦記 9/25 第1試合(麻雀2ch)】担当記者 香川さにい

逢川恵夢、
最後まで貫いた攻めの姿勢!
悔いなき最後の一打

文・香川さにい【金曜担当ライター】2026年9月25日

第1試合

東家:下石戟(BEAST X)
南家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:内川幸太郎(EX風林火山)
北家:逢川恵夢(EARTH JETS)

実況:小林未沙 解説:前田直哉

最後まで目の離せない、一進一退の攻防が繰り広げられた一戦。なかでも逢川恵夢は、要所で強気の選択を重ねながら、何度も勝負の流れを引き寄せようと奮闘する。苦しい場面でも攻める姿勢を崩さず、最後の最後まで着順を諦めなかった逢川。果たして、その選択はどのような結末を迎えたのか──。

逢川が強気に踏み込む! 枚数有利も堀に軍配

東4局0本場。前局に満貫のアガリを決め、ひとり抜け出した堀にドラの【東】と【中】がトイツの好配牌が入る。昨年は厄年で不運な展開が続いていた堀だが、今年は打って変わって、しっかりとアガリをものにしている。ここでも大物手を決め、さらにリードを広げられるか。

トイツ手に向かった下石から【6ピン】が切り出されると、堀はカンチャンから仕掛けて1シャンテンに。ネックだった部分が埋まり、後付けの役牌シャンポンとソーズの3面張が残る。テンパイは時間の問題かと思われた。

しかし、役牌が深く眠り、堀の手はなかなか進まない。
13巡目、順調に手を伸ばし、好形の1シャンテンとなっていた逢川が考え込む。まっすぐアガリに向かうならば、【1ソウ】と【7ソウ】の2枚を勝負する必要があるが、堀の捨て牌には序盤から【4マン】、【6マン】が切り出されている。単純なタンヤオの仕掛けに見えないため、【1ソウ】を切ることに慎重になるのも無理はない。
もし堀にドラの【東】が暗刻のケースを考えると、ここで降りるという選択肢も十分ある。しかし、逢川が出した答えは、強気の【1ソウ】勝負であった。

その決断に応えるかのように、次巡【5マン】を引き入れてテンパイ。【1ピン】【4ピン】【7ピン】待ちのピンフドラ1で先制リーチにたどり着く。

下石から現物の【1ソウ】が切り出されると、堀もすかさずチーしてテンパイ。【東】と【中】のシャンポン待ちで追いかける。待ちの枚数は4対2と逢川に分があるが、どちらが制するのか──。

逢川が高目となるラス牌の【東】を引かされ、堀に8000の放銃。堀は2局連続で満貫のアガリを決め、更なる加点に成功した。

まるでそれが当たり牌だと分かっているかのような、【東】の切り方が印象的であった。悔しい放銃となったが、表情を崩すことなく冷静に次を見据える逢川。痛い失点となったが、ここから巻き返しなるか。

三つ巴の大一番を制す! 冷静な好判断で逢川が一気に2着浮上

南1局0本場。ここでも各者がぶつかり合う。3巡目、親番の下石が【發】をポンして2シャンテンに。ヘッドレスながらもリャンメンターツが2つあり、ドラ赤を生かせば中打点以上が見込める手である。ここでアガリを決めて3着、4着を引き離したい場面だ。


しかし、そうはさせまいと立ちはだかったのは内川。ペンチャン落としの判断が功を奏し、リャンメン2つの1シャンテンに手を進める。【4ピン】【7ピン】から入れば、【南】のトイツ落としでタンヤオ変化まで狙える勝負手だ。

7巡目に逢川の【6マン】をチーしてテンパイしていた下石。ドラ赤が晒され、5800以上の打点が確定したことで、場には緊張が走っていた。ひとまず【3ソウ】単騎に構えていたところ、【2マン】を引き入れて【2マン】【5マン】待ちの亜リャンメンに手変わりする。

下石のフーロを受け、【中】のトイツ落としで迂回していた逢川であったが、またしても難しい決断を迫られる。先ほどのように、アガリを目指すならば【7ピン】と【4ソウ】の2枚を勝負しなければならない。しかし、ラス目とはいえ、現状3着目との点差はわずか2000。親に5800を放銃してしまえば、着順上昇の可能性はさらに薄くなってしまう。
長考の末、逢川は【2ピン】のトイツ落としを選択する。前局の放銃で前のめりになることなく、冷静な選択で粘りを見せた。

しかし、ツモは逢川にさらなる選択を迫る。今度はドラの【5マン】が重なり、打点こそ上昇したものの、ドラまたぎの【6マン】と【4ソウ】を落とせるかの精査である。少考の後に切り出したのは【6マン】であった。完全に降り切れる保証もない以上、逢川はここで攻めに転じることを選択した。

そして次巡、【9ピン】を引き入れ【5ソウ】【8ソウ】待ちでテンパイ。一呼吸おいて覚悟を決め、頷きながらリーチの発声。先ほどの失点を取り返すことができるか。

その直後、下石が【發】を引き入れ、手を止める。リーチを前に、加カンするかを考えているのだ。そして、カンの発声が場に響く。新ドラ表示牌をめくるその手は少し震えており、画面越しにも緊張感が伝わってくる。

内川だって黙っていない。【2マン】【5マン】待ちの追っかけリーチで、下石と逢川のぶつかり合いに割って入る。三つ巴の大一番、果たして勝負の行方は──。

決着は一瞬であった。内川のリーチの直後に逢川が【8ソウ】をツモ。裏ドラを1枚乗せ、リーチツモピンフドラ2裏1で3000、6000の加点に成功する。前局の失点を引きずることなく、冷静な闘牌をみせた逢川は、このアガリで一気に2着へ浮上した。

強気の選択を貫いた逢川、最後まで勝負を諦めず

南4局0本場、2着目の逢川を追いかける下石。その点差はわずか100。風向きひとつで勝負の行方が変わるこの局面で、先制リーチにたどり着いたのは堀だった。

役無しながらも、好形でのテンパイのため勝負に出た堀。この状況が最もつらいのは親番の逢川だろう。下石からすると堀がツモアガリを決めてくれれば、逢川の親被りで2着浮上となる状況だ。逢川からすれば、この局はなんとしてでも流局させた上で、下石の逆転を許さないためにもテンパイする必要がある。

そして逢川の手牌は、この困難な状況を打開しうる兆しを見せていた。ここから【南】のトイツ落としを余儀なくされるものの、堀に追いつき、アガリを決めることも十分に可能な手牌だった。

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