雷神とゼウス──瀬戸熊直樹と鈴木たろうが見つめる先──【Mリーグ2026-27 観戦記 9/25 第2試合(麻雀ch)】担当記者 小林正和

雷神とゼウス
──瀬戸熊直樹と鈴木たろうが
見つめる先──

文・小林正和【金曜担当ライター】2026年9月25日

9年目を迎えたMリーグ。

初年度からと比べると、見る側の目もずいぶん肥えてきたように思う。

それは、発足時のスローガンでもあった「熱狂を外へ」を体現しているとも言えるだろう。

一方で、打牌や所作への批判から始まり、時には麻雀とは関係のないところまで話が一人歩きし、「老害」なんて言葉まで飛び出す。

つまり、それだけ見る人も向き合う人も、熱くなっているということなのだ。

そんな中、私自身もライターとして4年目を迎える。

今年のテーマは、
「見えないものを伝えていく」だ。

数字や牌譜に残るものだけではない。

選手のファインプレーはもちろん、表情や仕草、そこに至るまでの葛藤や覚悟。その瞬間にしか生まれないものを、できる限り拾っていきたい。

そして時には、忖度なしで向き合う。

それが打牌批判と呼ばれるかもしれない。老害と言われるかもしれない。

それでもいい。
恐るな、自分。

この試合で起きたこと。
そして、まだ伝わっていないこと。

それを、真剣に伝えていこうじゃないか。

第2試合

東家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
西家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
北家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)

瀬戸熊が見せた9年目の姿勢

この試合、見事にトップを獲得したのは松本だった。

「今年、ABEMASは初のレギュレーションに掛かってますけど、怖がらず圧倒的に勝ってレギュラー突破、そして優勝に向けて全員で頑張りたいと思います。」

その言葉通り、トップ目に立ってからは終始バランスを崩すことなく、隙なく局を消化。最後まで危なげなく走り切り、そのままゴールテープを切った。

そして、本日の解説を務めたのは

滝沢和典
「(瀬戸熊さんは)これで良いと思ってますよ。」

瀬戸熊と同じ日本プロ麻雀連盟に所属し、長く同じ道を歩んできた滝沢。

そんな彼がそう口にしたのは東1局のことだった。

こちらは親番・瀬戸熊の手牌。
【發】がアンコに赤ドラもある、完全なる勝負手だ。

【6マン】を引いてきたことで、【4マン】を切れば受け入れを広くしたイーシャンテンに構えられる。

つまり、手牌だけを見れば迷うような選択ではない。
しかし、そう単純な話ではないのだ。

下家のたろうから、すでにリーチが入っていたのである。

こちらがその盤面。

捨て牌でまず目を引くのは、2巡目の【4ピン】だ。

字牌よりも先にドラそばの牌を切っている。つまり、序盤から【4ピン】を「いらない」と判断できるほどの形が想像できるだろう。

「それなら、七対子やマンズのホンイツなんじゃない?」

そう思ったアナタ。
良い思考だ。

ただし、今回はその可能性が極めて低い。その根拠は、【中】と【西】の切り順に隠されている。

1枚切れの【西】よりも先に、2枚切れの【中】を処理しているのだ。

七対子やマンズのホンイツを想定するなら、この切り順には少し違和感がある。むしろここから読み取れるのは、安全度も意識したメンツ手。そんな可能性が高いということ。

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