堀慎吾、我慢比べを制す 鈴木大介も魅せた渾身のオリ【Mリーグ2026-27 観戦記 10/22 第1試合(麻雀2ch)】担当記者 喜多剛士

熟慮の末、大介もまたオリを選択した。

私ならラス目だけにドラ単騎でリーチを打ち、この【2マン】を切って放銃していただろう。多くの人がそうなっていても不思議ではない。

この半荘はここまで、堀と大介の我慢比べのような展開が続いている。

結局、内川のアガリ牌は山から姿を消し、残り3枚となっていた伊達の【4ソウ】だけが山に残った。

伊達が【4ソウ】をツモ。

リーチ・ツモ・赤・赤の2000-4000。

何度もロン牌を引かされながら、その度に踏みとどまった堀。ラス目ながら冷静にダマに構えて危険牌を押し切らず、我慢を選択した大介。

伊達のツモアガリで決着した局だったが、印象に残ったのは二人の守備判断だった。果たして、この我慢比べはどこまで続くのだろうか。

 

南2局1本場

トップ目の堀は、南1局の親番を無理せず流して迎えた南2局1本場。

ここで大介に、今シーズンのMリーグでも屈指と言っていい反則級の配牌が入る。

三色が確定したダブルリーチ。待ちは絶好の【6マン】【9マン】だ。

そしてわずか2巡目。対面の内川がトイツだった【9マン】を放つ。

ダブルリーチ・平和・三色の8000点。1本場で8300のアガリとなった。

放銃した内川は、一瞬点数確認で手が止まる。

ダブルリーチは役が絡まないケースが多い。ドラもなくタンヤオもないため、瞬間的には「ピンフが付いて3900か」と思ったのかもしれない。しかし申告は8000点。

よく見ると、そこにはしっかりと三色があった。

東4局では、自らのアガリ牌を堀と大介に止められた内川。その直後に訪れたのが、このダブルリーチ三色への放銃である。

我慢を続けていた大介へのご褒美のようなアガリだったが、内川から見ればたまったものではない。自身のアガリを阻止されたうえに、次局では反則級のダブルリーチ三色に放銃。

内川の「それはないだろ」という心の声が聞こえてきそうだ。

 

南4局

迎えたオーラス。親はラス目の内川。何とか連荘して勝負をつなげたい局面だ。

点棒状況は、トップが堀。2着目の伊達は跳満ツモで逆転トップ、大介は満貫を出アガれば2着浮上という条件だった。

堀は役牌の【白】を暗刻にし、ペン【7ピン】待ちで先制テンパイ。アガればトップが確定するため、当然ダマテンを選択する。

親の内川も負けていない。三面待ちとリャンメンのイーシャンテンから、三面待ちが残る形でテンパイしリーチを宣言する。

待ちは絶好の【3ピン】【6ピン】【9ピン】。

これならアガリも時間の問題かと内川も思っただろうが、なんと山に残っていたのはわずか1枚だった。

すると今度は大介もドラの【9マン】を引き入れてテンパイ。アガれば2着浮上が見えるだけにリーチを選択する。

さらに伊達も自風の【西】を暗刻にしてテンパイ。待ちは【4ピン】【7ピン】だが、トップ条件の跳満には届かないためダマテンに構えた。

4者それぞれに思惑を抱えたまま迎えた終盤。最後に競り勝ったのは伊達だった。

【7ピン】をツモ。ツモ・西の700-1300を決めて終局となった。

トップ条件には届かなかったものの、このアガリで2着を確保。内川の連荘も、大介の2着浮上も許さない価値あるツモだった。

この試合は、派手なアガリよりも「我慢」が印象に残る一戦だった。

今シーズンは3ラスからのスタートとなった伊達だが、連続連対を決め、この日の2着で個人ポイントもプラス域へ浮上した。打点を強く意識した仕掛けはこの日も健在。毎シーズン安定して結果を残しているだけに、今後のさらなる活躍にも期待がかかる。

3着となった大介は、「ブルドーザー」の異名とは対照的な我慢強い麻雀が光った。東1局では満貫テンパイからオリを選択。東4局でも危険牌を掴みながら踏みとどまり、この半荘の”我慢大会”を象徴するような打ち回しを見せた。

悔しいラスとなったのは内川。満貫ツモを決める場面はあったものの、その後のリーチが実らず、南2局1本場では大介の反則級ともいえるダブルリーチ三色に放銃。リーチを放つもアガリ牌が他者に流れて苦しい半荘となった。

そしてトップを掴んだのは堀。東1局1本場の4000オールで主導権を握ると、その後は無理をせず着実に局を進めていく。特に東4局で見せた二度のオリ判断は圧巻だった。トップ目とはいえ、何度もテンパイの誘惑にさらされながら自身の読みを信じてブレーキを踏み続けた姿は見事の一言である。

昨シーズンは不調に苦しみ、直近は逆連対が続いていただけに、このトップの価値は大きい。今回の勝因は4000オールだけではなく、その後に訪れた数々の局面で”我慢”を貫いたことだろう。嫌な流れを断ち切ったサクラナイツが、再び首位を奪還する日も近いのかもしれない。

 

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