醍醐大の完勝劇を、
俺たちのタカキと振り返ろう
Mリーグには、別れと出会いがつきものだ。
2018年に創設され、8シーズンにおよぶ歴史のなかで、ファンに親しまれた選手がチームを退団する光景を何度も目の当たりにしてきた。「2年連続でレギュラーシーズン(22-23シーズンまではセミファイナル)を突破できなければ1人以上を入れ替える」という残酷なレギュレーションや、チームの編成方針、ときには個人の体調などを理由に、数多くの実力者がこの舞台に別れを告げてきた。
オフシーズンに知らされる一報は、われわれMリーグファンの間に強い衝撃や深い悲しみを与えるものの、新たなシーズンで加わった選手とともに、また物語を紡いでいくのだ。
そのなかでも、セガサミーフェニックスは、現在10チームで構成されるMリーグにおいて、最も多くの入れ替えを行ってきた。
和久津晶、近藤誠一、魚谷侑未、東城りお、そして、浅井堂岐――。
特に、昨シーズン終了後に決まった浅井堂岐の退団は、チームのファン「Wingth」のみならず、多くのMリーグファンを驚かせた。
24-25シーズンの優勝に貢献したその確かな実力はもちろん、その愛らしいキャラクターはファンの心をつかんで離さない。昨シーズンは病に倒れ、一時はシーズンの完走も心配されたほどだったが、感動的なカムバックを果たした。そのストーリー性も相まって、いつしかSNSでは「#俺たちのタカキ」の愛称で親しまれるように。今シーズンは、解説としてMリーグを盛り上げている。
この日、古巣のフェニックスからは醍醐大が出場。そして解説席には、かつての盟友、堂岐の姿。せっかくだ、今回は堂岐とともに醍醐の戦いを振り返ろう。
文・虫かご【木曜担当ライター】2026年10月22日
第1試合
東家:朝倉康心(U-NEXT Pirates)
南家:逢川恵夢(EARTH JETS)
西家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
北家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
解説席に座る堂岐のおかげか、醍醐は開局から猛烈なスタートダッシュを決める。
まずは東1局。4巡目でドラの南を重ね、234の三色が確定したところで、カン
待ちで音もなくヤミテンをいれる。
直後、白鳥がドラの
を持ってくる。早々に
を切り出していた朝倉への警戒度を高め、先に
を処理。
これがつかまり、醍醐が8000点をアガった。
さらに、続く東2局。またもや4巡目でテンパイを入れると、間髪を入れずに![]()
待ちでリーチをかける。
直後に高目の
が逢川に吸収されたが、お構いなしにラス牌をツモ。2局連続での三色となる3000-6000のツモアガリを決めた。
ここまでの所要時間、わずか6分未満。「麻雀ってこんなに簡単だったっけ?」と錯覚させるような電光石火の連続アガリで、持ち点は早くも45000点に到達した。
この時点で察した人も多いだろう。そう、早々に点数を積み上げた醍醐の安心感は計り知れない。麻雀打ちとしての彼を形作っているのは、その圧倒的な守備力だ。だれが呼んだか「先切り十段」。周囲をつぶさに観察し、他家の動向に敏感に反応し、自身を危険に追い込むリスクが高い牌をできるだけ早く処理する打ち回しが特徴だ。Mリーグの舞台でも、地蔵のごとく構えて戦うことが多く、実況解説がほとんど話題にしないこともしばしば。それでいて、気がついたらトップ目に立っているから不思議だ。
鬼に金棒、醍醐に点棒。以降、そのリードを存分に生かした打ち回しを披露する。
南1局1本場。
と
を手にした好配牌ながら、4巡目に
を引いてきた場面で醍醐の手が少し止まった。
試合後に、この局の「ターニングポイント」と語った場面。
か
の二択で迷っていたというが、醍醐は
切りを選択した。赤が2枚あるとはいえ、愚形ターツも多くリーチに踏み切りづらい局面。リーチ棒を差し出して無防備になるのではなく、仕掛けもいれてチャンタや一通といった役をつけてアガリを目指す道を選んだ。
次巡、醍醐が引いてきたのは
。直前で
を切った醍醐はノータイムで河に放った。
これには、解説席の堂岐も「赤の過剰摂取すぎ(笑)」とひとこと。続けざまに「
引いてほしいな~!
と
も並ぶのに」と、完全に醍醐の打ち回しを楽しんでいる様子だ。
醍醐が引いてきたのは
だったが、すでに決めていた道筋に従って
切りとした。
さらに、次巡で
を引いてきた場面。堂岐の願いが通じたのだろうか、醍醐は
までも河に並べた。
世にも珍しい「赤3連打」に、堂岐も「やりたかったやつでしょ!」と大興奮。ちなみに、チームの楽屋で対局を見守っていた竹内元太も大盛り上がりだった。
ひろしwww楽しそう https://t.co/0u1lFQ8TP4
— 竹内元太 (@takeuchigenta) October 22, 2026
試合後のインタビューで醍醐は、すでにアガリを半ば諦めていたと語っている。万が一、愚形が埋まったときにアガリを逃さぬよう、安全牌の
を抱えながら進行するルートを選択したと振り返った。下家の白鳥に
を鳴かせて、朝倉の親落ちを狙えないかという意図もあったという。派手な河ばかりが注目されてしまいそうだが、その裏では、自身の点数状況に起因した冷静な戦況判断が光っていた。
その後も醍醐は、絶妙な押し引きのバランスでトップの座を守り切った。
南2局1本場では、ドラの
を4枚手にした逢川を振り切るように、1300-2600は1400-2700のツモ。














