そして魚谷の見事な点は、これら全てがノータイム(一瞬の判断)であること。
例えばを切る際に悩ましい動作を見せてしまうと「を切る時に迷っていたな。」と相手に情報を与えてしまうことになる。判断が早いことは相手にスキを与えないことにも繋がるのだ。
魚谷の強みは、こうした精度の高い一手を素早く導き出せる点にある。らしさが存分に発揮された素晴らしいアガリだった。
バースデートップをもたらしたベルセルク高宮の執念
選手:高宮まり
日付:11/8 (28回戦/80戦)
配信URL:https://abema.tv/video/episode/444-1_s1_p24 (2:53:30~)
この日誕生日ということで連戦の高宮。
1戦目は悔しいラス。
2戦目、オーラスで親番を迎えてこの点棒状況。
トップまで6,200点充分射程圏内だ。
しかし配牌は悪い
なんとかチャンタ系でまとまればといったところ。
追い打ちをかけるようにトップ目の茅森が自風のを仕掛ける。
さらにラス目たろうから、なんとも怪しげなツモ切りリーチが入る。
画像では見えないが1巡前にを切っている。
1巡回してのリーチ、即ひっかけを嫌った形だ。
同巡仕掛けている茅森もテンパイ
仕掛けとリーチに挟まれてもはやこれまでといった感のある高宮。
まっすぐトップを見て押し返したいところだが、たろうにマンガンを放銃してしまうとたろうにまくられるのはもちろん、萩原と同点ラスである。
2連続のラスは避けたい。
ましてや今日は誕生日だ。
ぐっとこらえて安全牌を切っていく。
丁寧に安全牌を切っていき…
「チー」
今通ったばかりのが鳴けて形式テンパイだ!
しかし出ていくは通っていない。
リーチの後筋で、リーチの前に2枚切れている。
普通なら通りそうに見える牌ではある。
しかし前述のとおり、マンガンを放銃してしまうと同点ラス。
さらにたろうはツモ切りリーチだ。2枚切れのカンがあるんじゃないかと内心ドキドキだっただろう。
を切ってこの表情。
が通ってホッと一息。
さあテンパイ連荘だ!と意気込んでいるところで、高宮にとって思いもよらない出来事が起こった。
たろうのリーチにテンパイを崩していたトップ目茅森が海底でテンパイしなおしたところで「スジくらいならば」とを切ってたろうに放銃。
茅森からしてみれば高宮がテンパイ・自分がノーテンとなると、次局の点差が3,200点まで縮まってしまう。それを嫌って切ったのだろう。
棚ぼたトップのように見えるが、高宮が同点ラス覚悟でを切らなければ絶対に取れなかったトップである。
ベルセルクの執念が実って、高宮は嬉しいバースデートップとなった。
さて、今回は「会心のアガリ」というテーマで紹介しているが、高宮だけアガリの紹介ではなくなってしまった。
なぜこの局を紹介したかというと、高宮がこのオーラスで得たポイントに秘密がある。
高宮はオーラスの時点で28,700点の2着
このまま終われば +8.7ptだ
それが終わってみれば点棒は変わらないが2着→1着になり+48.7ptとなった。
実にその差40ptつまり40,000点だ
マンガンをアガったたろうでさえ、マンガン分の8,000点と4着→3着の順位点20,000点。
合わせて28,000点しか増えていない
今回のテンパイ取りがいかに大きかったかお分かりいただけるだろう。
後半戦も是非順位のポイントも含めた駆け引きをお楽しみいただければと思う。