黒沢咲ならツモれる!背水のセレブが「懸けた」ドラ単騎リーチ【熱論!Mリーグ】

セレブ黒沢は、もちろん違う選択、無筋の打

とドラの縦引き、横引きに備えたイーシャンテンに、華奢な体でどっしりと構える。

解説の村上も「行ったよ!から!こういうところ精神力強いね~。一現物ですけどね。う~ん、素晴らしい」と私と同じ反応。

次巡に絶好のを引きいれる。

「う~ん、悩ましい。とりあえずドラの単騎に受けて、横に伸びたら打かな」とわかめスープを喉に流し込もうとした矢先、黒沢の声が聞こえる。

セレブ黒沢は、またしても違う選択、を強い力で横に曲げて、リーチという発声。

 

解説の村上も「とりあえずドラ単騎か。(黒沢のリーチ!)リーチするんだ!おぎょ~~~!」と私と同じ反応。

村上の解説は愉快で楽しいので、ぜひこの場面だけでも視聴をおすすめする。

ピンズの形が良形で、すぐさま多面待ちの手代わりをしそうであり、ドラ周りのマンズも期待できるこの手を思い切ってリーチに行った黒沢。

この一打の意図は、

①現在、トップ多井との点差は10400点差で、ツモってしまえば満貫以上は容易に見込め、この1局で逆転可能。かつ、リーチをかけている勝又の捨て牌が

(リーチ)

となっていて、ドラ受けのある両面待ちである可能性は低く、勝又からの出アガリも狙える。出アガることができれば、3着4着と3万点以上の差をつけることができ、東2局にして多井とのトップ争いに持ち込める。

②この半荘のライバルの親の多井がこのリーチ者の勝又に押しているか引いているかはこの段階では分からない。しかし、多井の手が整いここからリーチの勝又に押し返して大量得点をしてしまう可能性も十分にある。2軒リーチになってしまえば、多井も安易には攻め込めない。また、多井が勝又に放銃するケースもあり得る。

③仮に勝又に放銃したとしても5巡目のリーチなので、打点は通常時より低い可能性が高い。なんとしてもトップが欲しいわけではない風林火山のチーム状況としては、好形低打点~中打点の可能性が他チームよりもほんの少しだけ高い。また、放銃もしくは、勝又のツモアガリの際には、ライバル多井の親を蹴れる。

つまり、黒沢オリジナルのこのリーチはトップがなんとしても欲しい超攻撃的な一打だ。

第1試合を終えた時点で、▲277.1というランキング7位のチーム状況でなかったら、この一打は見られなかったかもしれない。

このリーチを見たとき、私は黒沢ならすぐツモってしまいそうと心躍らせたと同時に、

チーム雷電はこんなに追い詰められている状況なのかと胸を締め付けられるような辛い気持ちになった。

黒沢の待ち牌であるドラ、最後の1枚は多井に流れて、後に多井も平和一盆口ドラドラの待ちのテンパイ。

黒沢、勝又、多井の三者にアガリは生まれなかった。

最終的にこの半荘は、チーム雷電・黒沢の背水の陣実らず。2連投2連勝連続8連帯のエース多井の力で、チームランキング3位を死守。多井隆晴の日なのかと思うくらいの気持ちよい2連勝だった。

先日は唯一の連投だった多井。インタビューを受ける多井も1試合目よりも心なしか疲れが見える。それだけの熱く長い混沌としたトップ争いだった。

第2試合を終えてのチームランキングはこちら。

どのチームのどの選手にも背負っているものはあると分かってはいても、今日は、チームランキング7位のチーム雷電のトップを願っていた。ファイナルシリーズに進める確率は他のチームより低いとしても、決して諦めずに短く長い試練の道のりを進んでいくチーム雷電3人とチームの仲間を応援して、残りの28戦も面白い雷電の麻雀を期待したい。

ちなみにこの熱い熱い対局に反比例して、対局に夢中でほったらかしだった、わかめスープとオムライスは冷めきっていた。

 

【おまけ】

~ダブをスルーする瞬間のセレブ黒沢~

 

 

アホ東大院生
22歳。麻雀プロでも天鳳高段位でもないが、とにかく麻雀観戦が趣味。
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