【麻雀小説】中央線アンダードッグ 第16話:決勝戦その1【長村大】

「ロン」

ホリエから声がかかる。

 

 ドラ 裏ドラ

 

リーチ・タンヤオ・ドラ・裏ドラで満貫の放銃である。

一回勝負、トップ取ったもの勝ちのルールで、満貫は痛い。だが、やはり切りで正解だと思った。実際に正解かどうかはあまり問題ではない、あるいはおれにはわからない理由で、他にもっと安全な牌を探せる人もいるかもしれない。しかし、この時点でのおれに他の選択肢はなかった。

アガリ手を見たときに後悔なくそう思えたということは、まだ落ち着いているのだ、たぶん。もしかしたら、そう思い込みたいだけかもしれなかったが。

 

第17話(6月1日)に続く。

この小説は毎週土曜・水曜の0時に更新されます。

 

長村大
第11期麻雀最強位。1999年、当時流れ論が主流であった麻雀界に彗星のごとく現れ麻雀最強位になる。
最高位戦所属プロだったが現在はプロをやめている。著書に『真・デジタル』がある。
Twitterアカウントはこちら→@sand_pudding
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