喉から手が出るほど欲しい初勝利…内川、和久津、藤崎、Mリーグ1年生たちの試練【熱論!Mリーグ】担当記者:渡邉浩史郎

もう一度内川の手を見てみよう。

ソウズの部分は

打牌候補はといったところだろうか。

切りはの鳴きを強く見つつ、ドラを2枚使い切ろうという選択だ。一方でテンパった時にソウズの愚形が残ってしまうリスクがある。

切りは鳴いた時の打点こそ下がるものの、比較的山に残っていそうなが暗刻になる目を残しつつ、最終形が確実に両面待ち以上になるリーチ手順で強い選択だ。一方でドラが出ていくことで、ドラの暗刻を逃してしまうほか、滝沢や藤崎にドラで放銃してしまうリスクがある。

切りはをポンする事を意識した手順。喰いタンでも5800以上の打点を確保できるほか、ドラの暗刻使いも逃さない。一方で切りよりもテンパイチャンスは少ないと言える。

もう一度河を見渡す内川、その選択は……

だ。

今局は比較的オーソドックスな選択に落ち着くこととなったが、この内川の55秒の小考からは手順マエストロの矜持を感じられずにはいられない。

この局は静かにヤミテンを入れていた藤崎が内川から1300のアガリ。内川の独走のチャンスを阻止し、局を進めた。

東4局

なかなかチャンスが来ない和久津。しかしここでビッグチャンスが。

このバラバラの配牌が、7巡後……

なんと国士無双のイーシャンテンに!!

山にはが2枚、が1枚残っている。

実はは内川の手に対子で入っていた。だが形も打点も良くなく、藤崎や滝沢のリーチにを打ち出すことがあるかもしれない。ここは早くテンパることができるか和久津……

しかしテンパイを入れた滝沢がリーチし、すぐにツモって1300オールの収入。

一見当然のリーチである。しかし和久津の国士模様や内川の手の進みが順調そうである事など、平和のみのリーチを打たない理由は沢山あった。

滝沢はそれらのリスクとリターンを天秤にかけた上で、それでもなおリーチに踏切ったのである。裏乗らずの立直・平和・ツモの凡手ではあるが、滝沢の麻雀の厚みを感じさせるファインプレーだ。

さて、和久津の超弩級の勝負手は日の目を見ることなく流されてしまった。

それでもなお、このクールな表情。表情豊かなプロも魅力的だが、こうした卓上の出来事で表情を崩さないプロの姿にはまた別のかっこよさがある。

東4局1本場

アマゾネスに逆襲のチャンスが到来した。

丁寧にドラを重ねて勝負手のイーシャンテンから切り。

共に1枚切れの

ターツ or ターツの選択。

非常に微妙な選択を……

見事に成功させ、最速の満貫ツモ!

アマゾネスが自慢の嗅覚で反撃に成功。

着順争いの行方はまだまだ分からない。勝負はついに南場を向かえる。

南1局

滝沢がなんと2巡目のリーチ。

しかも赤を内蔵した両面待ち、高めドラ。十分な勝負手だ。

ここに勝負手が入っていた内川が放銃してしまう。

裏ドラが乗って5200。トップを競っている相手に痛い直撃だ。

心なしか表情も歪んでいる内川。またトップを取れないのか……

南2局

和久津が3巡目テンパイ。

これはドラ引きやマンズの部分で平和をつけて打点も待ちもよくするためにダマ。この手が高打点で決まれば一気にトップ争いに浮上できる。超攻撃型でも当然のダマだ。

これに追いついたのはまたしても内川!今日はこの二人が真っ向からぶつかり合う展開が続いている。今回の勝者は……

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