依然イーシャンテン。ここは前原に合わせて打
。
前原はツモ切りが続く。
萩原もテンパイしない。
数巡後、
村上がついにテンパった！！だが、前原に
も
も通っていない。どうする…
場を見て熟考したのち、
村上はを切った。萩原の手の内にがある可能性は低い。萩原が前原に対して、よもやの差し込みにいったときの打牌をとらえるべく、単騎に構えた。
に前原からのロンの声はかからなかった。
手番一周してアガリは出ず。村上が次に引いたのは…
ション牌の
だ。これは待ちとしてはより優秀だ。
けれども、は前原に当たる可能性が物凄く高い。放銃したら3着でゲームセットだ。
単騎でもツモったり出たりするかもしれない。
を打つのは怖い。どうする…
少しの間ののちに、村上が出した答えは…
「リーチ！」
恐怖心を振り払って単騎でリーチだ！！これがこの手の最終形だろう。ならば村上にとって、ここはリーチの一手なのだ。リーチをすることによってこの手に村上の魂が宿る。
が通っていった前原の手は、
待ちだった。ここは一歩も引かない構えだ。
村上の麻雀は我慢の麻雀だ。まわって、おりて、耐えて耐えて門前で仕上げてリーチを打ってもアガれないこともある。辛抱するのはツラい。それでも、村上はひたむきにリーチを打ち続ける。
全ては、この瞬間のために。
『うわぁぁぁぁーーーーーーーーーー』
本日二度目の実況小林の叫び声と、解説白鳥の驚嘆の声がスタジオにこだました。
リーチ一発ツモメンホンチートイツ。
村上、魂の8000オール。
気合と興奮が満ち満ちて、トランス状態の村上。
この点差で南4局2本場を迎える。村上の逃げ切り濃厚か…
と思いきや、萩原の配牌がすさまじい。赤が2枚にドラが1つ。トップ条件のハネマンツモをクリアできそうだ。
巡目こそかかったものの、
13巡目にこのカタチでリーチ！ツモって、裏か一発があれば逆転だ。
村上は役アリテンパイをいれている。危険牌を引いた瞬間にオリる構えだ。
そこに、滝沢からもリーチが飛んでくる。
衝撃のあまり、思わず乙女になる村上。
萩原最後のツモは…
だった。村上の逃げ切りがかなった。
思えば箱下4100点まで点棒を減らした村上。そこからの追い上げを決めたこの半荘。喜びもひとしおだろう。
この半荘は、挨拶が終わったあとで、萩原、村上、滝沢の三者の間で短い感想戦が行われていた。萩原も村上も緊張が解けて柔らかな、それでいて「麻雀が心底好きな」表情で思いを述べていたように思う。
やはり視聴者の立場としては、闘っていたものにしか分からない狙いや反省などの意見が聞けたら嬉しいと感じる。もう少しだけ長い感想戦を、ぜひ恒例にしていただけたらと思う。
同じ月曜日のMリーグ観戦記ライターであり、将棋の観戦記者である山﨑和也記者にも聞いてみたところ、「将棋界ではあるほうが自然なので、Mリーグも感想戦を取り入れていいのではないか」とのご意見をいただきました。心強い限りです。
インタビュー時も、まず開口一番に
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