美しくも壮絶な打撃戦を制したのは…？【 麻雀最強戦2023 】打倒最強位決戦 観戦記【B卓】担当 千嶋辰治

美しくも壮絶な
打撃戦を制したのは…？

【B卓】担当記者：千嶋辰治 2023年9月24日（日）

リーチツモウラ3の4,000オール、

リーチツモ平和ドラの2,600オールと、ロケットスタートに成功した一瀬由梨。

最強戦に滅法強い一瀬が、たった2局で全員に約27,000点の差をつけた。

2人残りの対局において、ダントツ状態を築くことの意味は大きい。

他の3人に残り1議席を競り合わせてしまえば、悠々決勝に進出できる展開となりやすいからだ。

続く2本場。

和久津の手をご覧いただきたい。

親番を蹴るイメージなら、ソウズのトイツを仕掛ける前提でピンズを3面張に整えていく手筋。

加点に向かうならトイツや暗刻形の手役も…？

小考の後、和久津は、

トイツ手に向かう打としたが、この一手がビッグプレーを呼ぶ。

10巡目、淀みない間合いで宮内がリーチを放った。

待ちはフリテンながらの3面張。

連荘許すまじと一瀬にプレッシャーをかけていく。

と、一瀬の手が止まる。

ドラ表示牌のをチーしてバックの仕掛け。

一発消しの役目も果たし、一挙両得の動き… のはずだった。

現にこうして宮内の一発ツモを阻止しているのだから、今日の一瀬はキレッキレに冴えていたと言えると思う。

しかし、話はここで終わらない。

宮内のリーチに対して、打で受けに回った和久津にが舞い込む。

そして、さらにはが現れてあっという間に四暗刻のテンパイ。

日吉辰哉プロの「お待たせしました！」の声に乗って、その時は訪れた。

今シーズン2度目の役満は、和久津晶の四暗刻！

このひと和了りで一瀬の大量リードを逆転して一躍トップ目に。

一瀬としては16,000点の親っかぶりとはなったが、他の2人との差は未だ2万点近く開いている。

常識的に考えれば、そう簡単にひっくり返される差ではないはずだ。

しかし。

このビッグプレーを涼しい顔で眺めていたのが宮内こずえだ。

続く東2局に川原舞子から5,200点の和了をもぎ取ると、東3局では、

流れるような手順でツモリャンペーコーの2,000－4,000を鮮やかに和了。

さらに迎えた親番の東4局で、

リーチ一発ツモイーペーコーの4,000オールと3連続和了で大量加点に成功。

影をも踏ませぬ勢いで一瀬を追い抜き、2番手へ浮上した。

それにしても、この対局は荒れに荒れた。

瀬戸熊直樹最強位に対するそれぞれの思いが強いからなのか。

次局のこの和了には度肝を抜かれた。

大量加点に成功した宮内。なおも親番は続き、東4局1本場。

さらなる加点に向けて鼻息荒い宮内だったが、ここでやってくるのは川原舞子。