と持っていたところにをツモったらシャンポン待ちにすると考えるのが普通だ。
少なくともどうするのか多少なりとも考えるだろう。
しかし、勝又はあらかじめこのツモを想定し、ドラをツモ切りすることを決めていたのだ。
その術中にハマったのが和久津だった。
間違いなくそういった読みが和久津に働いたのだと思う。
ただ、そういった読みがあることをふまえてもこの打は微妙だった。
勝又はダブポンで打点もありそう。でロンと言われたら最低5800からだ。
そして捨て牌が濃く、トイトイじゃなければテンパイが濃厚と言える。
最後に和久津の手を見ると、打でリャンシャンテン。それもうまくいってリーチピンフドラ1の手だ。
読みからは通しやすいと思ったとしても、リスクとリターンが見合っていなさそう。
ただ、この放銃以外は、とことん不幸な放銃ばかりで、さすがにきつそうだった。
和久津は、この半荘、合計6回も放銃し箱下に沈んでしまう。
下は11/26に撮られた、KONAMIの動画のワンシーンだ。
奥の控室でラスを引いた和久津が開口一番に
「すいませんでしたっ」
と謝っている声が聞こえてくる。
風貌やそのキャラから、負けをそこまで気にしていないように見える和久津だが、その裏では人一倍責任感が強く、そして研究熱心な打ち手だと聞く。
気にしてないわけないだろう。
和久津はこの日以来、3週間の休養を経ての登板だった。
今日も、どうしようもない放銃がほとんどなのだが、ああいった悪い放銃が1つでもあると、やはり全てが悪いように周りから見られてしまう。そして自身も本当にこれでいいのかという迷いが生じてしまう。
悪循環であり、トンネルである。
しかし、出口のないトンネルはない。
明けない夜はない。
止まない雨はない。
J-POPの歌詞みたいになってしまったが、もうこれ以上悪い時期はないと前向きに捉え、復活してほしい。私はデビュー戦で書いたように、最後まで和久津に注目し続ける。
オマケ②
今回が、私の今年の観戦記の最後となりました。
昨年と比較して、見て感じたことをそのままぶちまけている点は同じなのですが、だいぶこなれてきたのか、割とまとまりと一定の質のある記事を書けるようになってきたと感じています。
来年のレギュラーシーズン後半・セミファイナル・ファイナルと続けていきたいと思っていますので、またのご愛読をよろしくおねがいします!
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」