不死鳥のエースは魚谷侑未!連闘で魅せたファイナル進出への執念【熱論!Mリーグ】担当記者:masasio

多少アガリ率を下げてでもハネマン、バイマンを狙った方が最終的にはトップになる可能性は増えるのだ。

ほどなくして高目のをツモ。

裏ドラは乗らず3000/6000のアガリとなった。もし裏ドラが1枚でも乗っていたらバイマンで4000/8000になっていたところだ。

リーチの破壊力がお分かりいただけたと思う。

トイツ落としから、タンピンドラドラをリーチ。

魚谷は一度も手を止めることなくアガリまでたどり着いた。

彼女にとってはこの手順は「当たり前」の手順だったのだろう。

まさに教科書通り、お手本のような一局だったと思う。是非マネしていただきたい。

続く東2局はテンパイを入れていた白鳥からマンガンの出アガリ。

トップに向けて上々の立ち上がりだ。

2

ここまでは魚谷の模範演技が続いていたが、少し疑問に感じた局だったので紹介する。

あまり手役の見えない配牌だったが、役牌のを重ねてぐっとアガリが見えてきた。

 
(牌譜は、トガシの麻雀X研究所様からいただきました)

https://mahjong-x.com/mleague-paifu-20200110-game1/

ところがこのを2枚ともスルーしたのだ。

役牌のトイツを鳴かない場面はいくつか考えられる。

①手牌がバラバラで安い場合

特に雀頭が無くて、愚形ターツばかり。ポンしても3シャンテンの手、しかもドラもない―こんな手なら鳴かないことが多そうだ

②鳴くと安くなってしまう場合

鳴かずに役牌を落としていけばタンヤオピンフが狙える場合は仕掛けずにメンゼンで進めて高打点を見ることが多い。

③鳴くと手牌が危険牌だらけになってしまう

②とも通じるが、役牌を鳴いた残りが中張牌ばかりだと他家から攻められた時に放銃のリスクが高くなってしまう。

主なものはこれくらいだろうか。

今回の手は確かにドラが無くて安いのだが、ポンすればリャンメン2つとカンのリャンシャンテン。

の周りを引いてリャンメンになれば尚よし。カンのままでも端のカンチャンなのでそこまで悪くはない。

また、を鳴かずにメンゼンで進めるにしても、タンヤオも遠く、リーチピンフが関の山だろう。

最後に手牌の安全度だが、もちろんを鳴かないほうが安全度は高い。

まして魚谷は微差ながらトップ目、放銃のリスクはなるべく負いたくない。

しかし比較的安全なを頭で持っているため他家に攻められてすぐに安全牌に困るということは無さそうだ。

以上の理由からをポンしたほうが良さそうだがいかがだろうか?

例えば、魚谷とトップ争いをしている黒沢が鳴かなくても「またやってるな」としか思わないが軽い仕掛けも苦にしない魚谷が鳴かなかったのは少し意外に感じた。

やはり離れたラス目の白鳥の親番というのが大きそうだ。

2打目にを切っており、少し手がまとまっていそうに見えたのもあるかもしれない。

また残る勝又、黒沢はあまり手なりで打つタイプではないのだが、今局はかなり素直な切り出しをしている。「3人でやり合ってくれれば・・・」そんな思惑もあっただろうか。

魚谷にとって「当たり前」のスルーなのか、いつもより少し守備に意識があったのか、気になる一局だった。

果たして、黒沢と勝又の2軒リーチとなり、黒沢が勝又へ6400の放銃。

魚谷にとっては、まずまずの結末となった。

3

魚谷の配牌はバラバラ。

一応の国士をみつつ、将来安全牌に困らないようにと切り出していく。

 

5巡目にドラのを重ねて方向転換。

国士は見限ってを切った。

なるほど、ドラドラならカンチャンペンチャンだらけでも少しは頑張りますよ、ということか。

愚形を落としている間にはっきりマンズのホンイツが見えてきた。

そして、重ねたをポン。

前局と違って今局はドラドラのホンイツで打点は充分だ。

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