なんとあの配牌からテンパイまで持ち込んでしまった。
やけになって国士を狙って、早くにドラのを切っているとこの形にはなっていない。
序盤からドラ色のマンズを切っていないということは頭の片隅にホンイツはあったのだろう。
遠くてもアガリの道筋を残しておけば、何回かに1回はこうやってテンパイすることもあるのだ。
黒沢からリーチが入るが・・・
カンに待ちを変えると、すぐに黒沢がを掴んでしまった。
自分の目から2枚見えているドラ表示牌のカンチャン待ちなだけに、押し切るのは難しいかと思われたが悩む前に出アガリ。
本人も対局後に「ラッキーでした」と語った嬉しいアガリで持ち点を4万点に乗せると―
オーラスも親番で9600点を加点。
終わってみれば5万点オーバーの大トップだ。
フェニックスはチーム5連勝を達成。
チーム5連勝はMリーグ史上初の快挙だ。
また、魚谷自身にとっては11月4日以来実に2か月ぶりのトップ。チームの連勝をつなぐことができて喜びもひとしおだろう。
魚谷は続く2試合目にも出場。惜しくも個人連勝、チーム6連勝とはいかなかったが、2着でゲームを終え大きくポイントを伸ばすことに成功した。
フェニックスにとってはジグソーパズルの最後のピースがハマったかのような一日になった。
やはりこの人、魚谷侑未がいてこそのフェニックスだ。
昨シーズン、フェニックスはファイナルステージに進めずに悔しい思いをした。
特に魚谷はマイナス249.1ptと大きくマイナス。今シーズンは期するものがあるはずだ。
魚谷の活躍なくして、チームの優勝はありえないといっていいだろう。
その魚谷がトップ2着の活躍を見せ、チームは首位サクラナイツまで後一歩のところまできた。
昨期苦汁をなめた不死鳥が、大空にはばたく姿を見られるのもそう遠くないかもしれない―
そんな気にさせられた一日だった。
その頃には、苦手なウインクも上手くなっている・・・かもしれない。