全国のPiratesファンがそう願いながら試合を見守っていたに違いない。
南3局
しかし、瑞原の前に立ちはだかったのは、
親番の寿人だった。得意のリーチで切り込んでくる。
今年も寿人のポーカーフェイスは健在だ。
一発目は、とっておいた現物のを切って凌いだ瑞原、
現物がない…
盤面を見つめて、考えをめぐらせる。
少しの間の後、瑞原が切ったのは、
だった。との壁を利用した格好だが、ここでを切らなかったのには理由がある。
それは、
寿人の6巡目打が手出しだったからだ。リーチ宣言牌の二つ前の手出しの牌は、ストレートに手を進めてくる寿人のスタイルを考えても、手に関連している可能性が比較的高い。まして、前巡に内川がを切っており、この巡目に寿人が合わせたカタチになっている。1枚切れたところで、からリャンメン固定するケースはよくあるものだ。
実際には三色の手役絡みで残っていた牌で、リーチの待ちには関係がなかったが、瑞原は寿人が手出しをした瞬間を記憶していてを手に留めたのだろう。
そののちが3枚見えたこともあってと払っていく過程で、瑞原にテンパイが入る。そして迎えた最後のツモ番、
瑞原が持ってきたのは、
どこからどう見ても無スジの…
思わずこの表情。
記憶と河とを合わせて、丁寧に考える。
を押してテンパイをキープするか…?
をとめてオリるのならば、何を切るのか…?
現物は1枚もない。
目を見開いて、祈る気持ちで瑞原が選んだのは、
ドラの!
当たったらとんでもなく高いとはいえ、単騎にしか当たらない。
に寿人の声がかかることはなかった。
寿人の待ちは。この局、瑞原はオリ切ることに成功したのだった。
続く南3局3本場は、
三軒テンパイで流局。
南3局4本場は、
寿人が、リーチと並ぶ自身の武器、ホンイツで攻め立てる。
そこへ、
「リーチ」
瑞原が勝負を賭けた!赤を2枚内蔵した、リャンメン待ちリーチだ。
いうまでもなく、寿人も全勝負。
マンズ対決となったこの局。どちらが制するのか…。
結果は、
なんと決着がつかずに流局!
なかなか寿人の親が落ちない。南3局は5本場を迎える。
こんなにも必死な瑞原の表情は初めて見るかもしれない。瑞原の強靭なオリハルコンハートが、勝利へのプレッシャーと懸命に戦っている。