佳境を迎えるMリーグ…滝沢和典ですら豹変する選手たちが背負う重圧の正体【熱論!Mリーグ】担当記者:東川亮

この宣言牌を、滝沢は鳴いた。

もちろん手牌を進める意図もあっただろうが、それよりも茅森の満貫ツモの可能性を少しでも削るために、一発を消すという思惑が大きかっただろう。

その後、滝沢はタンヤオで粘ろうとしていたが、朝倉、村上も前に出てきたことで手を崩した。

後は運を天に任せるしかない。

 

前に出る朝倉、村上。

ツモれない茅森。

結果は・・・、

村上の劇的なハイテイツモ。

滝沢は辛くもトップを守りきった。

試合後の選手たちは、一様に憔悴しきっていたように見えた。

その様子を見て、冒頭の近藤の言葉を思い出す。

彼らの感じている重圧の正体。

その答えは、この日解説を務めた多井隆晴渋谷ABEMAS)の言葉にあるのだと思う。

「自分のためだけではなく、ファンのためでもあり、会社のためであり、社員だったり株主だったり、全部を背負っている」

 

 

 

そういえば、この日は村上や朝倉といった比較的表情が豊かな選手だけでなく、茅森、滝沢というあまり感情を表に出さない選手たちも、今までになかったような表情や仕草を見せていた。

これまでもプレッシャーはあったはずだが、レギュラーシーズンの残り試合数が少なくなるにつれ、選手にかかる重圧も、加速度的に増していっているのかもしれない。

Mリーグはここからが佳境だ。

そして選手たちは極限のプレッシャーを糧に、勝利を目指して極上の闘牌を見せてくれるはずだ。

Mリーグはこれから、もっともっと面白くなる。

この熱狂を、外へ。

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