勝敗を分けたのは運なのか
松本吉弘・萩原聖人の
コントラスト
文・東川亮【木曜担当ライター】2020年11月19日
大和証券Mリーグ、11/19の第2回戦は、以下のような顔ぶれとなった。
第2回戦
北家:和久津晶(セガサミーフェニックス)
村上、松本、和久津の3選手は、前回出場時にいずれもトップだった。
個人成績1位の村上は言わずもがな好調、和久津はうれしい今シーズンの自身初トップを獲得しており、松本は親の四暗刻ツモで自身、そして今シーズンのMリーグにおける初役満を決めている。
「勢い」という要素を考慮するなら、いずれも上り調子、あるいは充実しているメンバーである。
対して萩原は、全30選手中唯一トップがない。
展開に恵まれなかった試合も多々あるが、自身としても、不本意な麻雀が続いているだろう。
試合は、そうした構図が残酷なまでに浮き上がるものとなった。
東2局。
和久津が1巡目からをポン。
一色手へ向かう進行だが、この形でいきなりから鳴くのはかなりの思い切りだ。
配牌の段階で、最終形をハッキリと見据えていたのだろう。
和久津はさらにもポンしていくが、村上もポンで対抗。
序盤からなにやらめまぐるしい。
副露が3つも入っているのに、松本はただの1牌もツモっていない。
とは言え、松本は配牌からこの形。
下家の和久津がマンズの一色手模様だが、材料を見れば戦うべき手だ。
先処理とばかりに、不要なマンズを切り飛ばしていく。
そして急所のカンを引き入れてリーチ、一発ツモ。
幸先の良い2000-4000は、前戦の勢いをそのまま引き継いでいるかのようだ。
対象的に、厳しかったのは萩原。
仕掛けとリーチに対して何かをする余地もないまま、あっという間に親を落とされてしまった。
次局も先手を取ったのは松本。
イーシャンテンでドラを見切る思い切りの良さを見せると、次巡でかぶってしまうも絶好のを引き入れてリーチをかける。
直後、萩原がロン牌を掴む。
一度はこらえたものの、対抗しようと手を進めたことで打ち出されてしまった。
さらに、裏ドラが雀頭の。
萩原から松本へ、12000の放銃となった。
松本の勢いは止まらない。
東4局2本場には、まさにそんな現状を象徴するかのような超好配牌が訪れる。
赤赤ドラでターツも役も選び放題、七対子ならイーシャンテンだ。
しかし、この手は良すぎるあまりに難しい。
一本道ではなくさまざまなルートが見えるため、すんなり正解を選べれば早そうだが、裏目を引いてのアガリ逃しなどもないわけではない。
そうなったときのショックは非常に大きいだろう。
2巡目、松本はを引いて切り、ピンズの横伸びを見た形に。
この場合、ソーズの下はロスになるが、は受け入れられる上に七対子も残せる。
一番シンプルなのは孤立の切りだが、打点を見るなら使い切りたい。