あなたは
近藤誠一になれるか⁉︎
何切る形式で味わう
黄金の左腕が生み出した
数々の選択
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2020年11月26日
私はスーパー銭湯が好きだ。
広い湯船で足を伸ばすと、日ごろの疲れや色んな悩み事が、湯に混じり消えてゆく。
私は近藤誠一が好きだ。
普段の、このほのぼのした雰囲気と、
卓上での、鬼神のような空気感とのギャップがたまらない。
そして、近藤の打牌は我々に「そんな選択があったのか」という気づきをもたらしてくれる。
今日は『いい風呂の日(11月26日)』ということで、お風呂大好き近藤選手の選択を何切る形式で追っていきたいと思う。「近藤なら何を切るだろうか?」と考えながら読んでいただけると幸いだ。
1試合目
西家 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
北家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
東1局
1問目
パッとしない配牌。近藤選手の選択は?
① ② ③ ④その他の牌
正解は、
④その他の牌、だ!
ドラのないこの配牌で、メンツ手を狙って字牌から切り出していくのは、守備面の不安がつきまとう。国士本線、物凄くいいツモをしたときにはメンツ手もわずかながら、といった狙いであろう。
次巡、
を引いて打。これでチートイツも視野に。
3巡目には、
を持ってきて、
打!国士とチートイツにマンズのリャンメンは不要だ。そして、この打には別の目的も存在する。
次の手番で切り。リャンメンターツを払いきった。ここで近藤の「河」に注目すると、ソウズのホンイツに向かっているようにも見える。他家が近藤を意識して、孤立牌選択でソウズを切ってくれたらしめたもの。もちろん「国士かも疑惑」も消えていない。
から始まった派手な切り出しは、こうして「河を作り上げる」「ミスリードを誘う」といった意味もあるのだろう。
さらに、
を引いて打。手牌も河も、国士コースに進路決定。形になってきているのがすごい。
と思ったのも束の間。瑞原からリーチが入る。
攻撃を受けたときに安全牌がたんまりあるのも、この打法のメリットだ。近藤はこのあとも悠然とオリていった。
この局の結果は、
瑞原の一人テンパイで流局であった。
東2局