佐々木寿人の即断
ドラ切り追っかけリーチ!
打ち手の間や表情に注目
文・東川亮【月曜担当ライター】2021年1月18日
リアルの麻雀とネットの麻雀は、たとえルールが同じであったとしても、ゲームとしての性質は違うのではないかと感じる。
ネット麻雀はより純粋に牌理などと向き合えるのに対し、リアル麻雀は卓外の情報もより多くなってくるからだ。
打ち手の打牌の間や対局中の表情、あるいは雰囲気など・・・。
そうしたことも立派に情報となり得るのが、リアル麻雀の楽しさであり難しさだと思う。
そして「間」という点で凄みを感じるのが、KONAMI麻雀格闘倶楽部のエース・佐々木寿人だ。
第2回戦
東家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東1局は親の内川、そして佐々木がテンパイまで早そうな手牌。
先手を取ったのは内川、を暗刻にしての待ちリーチは好感触だろう。
直後に寿人もテンパイ。
ドラを切っての待ちか、を切っての七対子待ちかを選べる。
はドラであり、切ればスジのでの出アガリ率は上がりそうだが、放銃したら相当な失点を覚悟しなければならない。
寿人はドラを切って追っかけリーチを打った。
ピンズを1枚も切っていない親に対して、である。
そして驚くのは、テンパイしてからリーチまでに要した時間だ。
3秒程度、ほぼ即決である。
この手は勝負に行く選択もあるが、オリないにせよのトイツ落としなどで迂回するルートもあった。
にも関わらずドラ切り追っかけリーチを即断即決できるところが佐々木寿人という打ち手のすごさであり怖さだ。
なにより、切るときに全く迷いを感じさせないところが素晴らしい。
山に残った枚数は内川の4枚に対し2枚しかなかったが、麻雀は枚数差で勝敗が決まるわけではない。
ツモっての2000-4000は、実に寿人らしいアガリとなった。
次局は逆に、先制リーチの親番寿人に対して内川が追っかけリーチ。
待ち牌の数は、今回は寿人4枚に対し内川は2枚。
さらにヤミテンを入れていた瀬戸熊も2枚という状況だったが、内川が引き勝った。
ツモったときにはこの表情。
「やり返してやったぜ!」と思ったかどうかは分からないが、内川は比較的表情が豊かな選手だ。
他にも多井やこの日の解説である村上淳(赤坂ドリブンズ)など、対局中に表情を変える選手の様子を見ているのもMリーグでは面白い。
対象的に、表情が変わらない代表格の一人が佐々木寿人。
4巡目リーチをきっちりツモり、裏ドラを乗せて1300-2600はなかなかうれしいアガリだが、表情は変わらない。
寿人と言えば、点数申告の早さが尋常ではない。
裏ドラが絡むアガリは打点が変わる可能性があり、現に今回も1枚乗っているのだが、申告を始めたのが上の画像のタイミングである。
解説の村上によると、同卓者に見えるようになる前から申告しているらしいが。
寿人は南1局で多井に8000を放銃するも、南2局1本場の親番では尋常でないツモの伸びからリーチ一発ツモ一盃口ドラ裏で6000は6100オール。
やはり申告が超早い。
天鳳でも裏ドラが乗るかどうかはちょっとためるぞ。